渡辺王将が見た、王将戦挑決リーグ・永瀬―広瀬戦 勝負の一手は広瀬の「異筋の好手」

[ 2020年11月21日 05:30 ]

第70期王将戦 挑戦者決定リーグ

渡辺明王将
Photo By スポニチ

 【解説】一斉対局を渡辺明王将(36)=名人、棋王含め3冠=が解説した。注目したのが、勝てば挑戦権獲得だった永瀬―広瀬戦。広瀬の71手目▲6一金を「異筋の好手」と指摘し、プレーオフの見どころも語った。

 広瀬八段が61手目▲5二角成の角捨てから斬り込んでいった。▲6一金(A図)で先手の攻めがつながる形になりました。俗に言う「一段金」。この局面になれば浮かぶ。けれど、数手前から読みを重ねて導いた、異筋の好手でした。

 ずっと先手ペースだったようです。後手も作戦失敗して勝機が薄かった。先手が有利を保って押し切りました。ただ、後手の永瀬王座もやりにくさはあったでしょう。負けてもプレーオフという保険がある。あまりそういう状況って現れませんから。

 プレーオフのポイントはまず振り駒でしょうか。両者の対戦では先手番の勝率が高い。今夏の叡王戦7番勝負でも対戦した両者。豊島竜王、持将棋、持将棋、永瀬王座の勝利で迎えた第5局から先手番が勝ち続けた。入王、持将棋。また熱戦が見られそうです。(構成・筒崎 嘉一)

続きを表示

この記事のフォト

2020年11月21日のニュース