東映グループ会長、岡田裕介氏死去…ヒット作に珍作、大きな振れ幅魅力だった

[ 2020年11月21日 05:30 ]

東映グループ会長、岡田裕介氏死去

「第38回日本アカデミー賞」優秀賞発表会見に登場した、授賞式の司会を務める俳優・西田敏行(左)と女優・真木よう子。中は日本アカデミー賞協会会長で東映会長の岡田裕介氏=15年01月
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 【悼む】この原稿を書いている今も現実のこととして受け止められない。突然の悲報に頭は混乱するばかりだ。

 今月2日、東京・銀座の東映本社でお会いしたのが最後となった。いつものひょうひょうとした感じで「今日はどうした?」と、掛けられた声が耳に残っている。

 石坂浩二に間違えられたのがきっかけで俳優になった。岡本喜八監督の「吶喊(とっかん)」が印象深い。岡田茂東映元会長の長男で、後に経営者の道に進み、2代にわたって映画界に君臨。父はスピーチの名人だったが、貫禄が出てきた最近の裕介氏も気の利いたあいさつで沸かせていた。

 プロデューサーとして「動乱」などのヒット作を放った一方で「北京原人」などの珍品も企画し、振れ幅の大きさがまた魅力だった。熱烈なサユリスト。来年公開の「いのちの停車場」が最後の“合作”となったが、タイトルが皮肉に思える。(佐藤 雅昭)

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