「エール」異色OP 朝ドラ最古?紀元前1万年から描く 窪田正孝が原始人に!土屋CP「かなりの変化球」

[ 2020年3月21日 18:00 ]

次期連続テレビ小説「エール」第1話。「オリンピック・マーチ」の作曲に悩む古山裕一(窪田正孝)(C)NHK
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 俳優の窪田正孝(31)が主演を務める次期NHK連続テレビ小説「エール」(3月30日スタート、月~土曜前8・00、土曜はダイジェスト)は、初回冒頭のプロローグで朝ドラ史上最古(?)の紀元前1万年から物語が始まり、窪田と二階堂ふみ(25)が“原始人”を演じていることが21日、分かった。オープニングのタイトルバック(タイトルの題字や出演者・スタッフのクレジット)と“覆面”男性4人組ボーカルグループ「GReeeeN」の主題歌「星影のエール」もエンディングに流れる朝ドラ初回としては異例の演出。制作統括の土屋勝裕チーフプロデューサー(CP)は「かなりの変化球でチャレンジングなオープニングですが、それが今までにない朝ドラが始まるという視聴者の皆さんの期待感につながればいいなと思っています」と狙いを説明。窪田も「第1回の冒頭から、軽快かつコミカルに“はるか昔から音楽がいかに人生の中に存在しているか”を描いていて、大きなインパクトがありました」と前代未聞の異色オープニングに手応えを示した。

 朝ドラ通算102作目。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909~1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・関内音(二階堂)の夫婦愛を描く。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(39)以来、約6年ぶり。

 この日までに行われた第1週試写会。第1話のオープニングにド肝を抜かれた。

 動物たちの叫び声とともに「紀元前一万年」のテロップ。“原始人”の窪田は銛(もり)を手に、川を泳ぐ魚を獲ろうとしている。そこへ“原始人”の二階堂も現れ「古来 音楽は人とともにあった」「以来 人は音楽を愛した」「ずっと音楽は人のそばにある」のテロップ。そして、二階堂は一心不乱に木の棒で岩を叩いて音を出し、窪田も捕まえた魚を手に踊りまくる。その後、音楽にまつわるさまざまな映像を挟み、最後は現代、窪田が二階堂にフラッシュモブによるプロポーズ。テロップは「いろいろやっていますが 音楽はすばらしい」「音楽が奏でる人生の物語です」――。

 一連の映像が約4分半続いた後、「時は昭和。東京オリンピックが迫る中、1人の作曲家に大きな責任が課せられていました」(声優・津田健次郎のナレーション)。1964年東京五輪の「オリンピック・マーチ」を作曲する主人公の姿がようやく現れ“本編”がスタートする。

 異色のプロローグについて、土屋CPは「従来とは違う新しい朝ドラがスタートするワクワク感を出したいと思っていました。そして『このドラマは音楽とともに歩んだ夫婦の物語です』ということを第1話で印象付けたかったので、『音楽って何だろうね?』と問い掛けるようなオープニングになりました」と意図を説明。

 原作・林宏司氏のアイデアで「台本が送られてきた時には、正直『あれっ?何か違うドラマ?』と思いました」と笑って驚いたことを明かしながら「非常に印象的な導入部分なので、チャレンジしてみようと。普通の朝ドラとは違う、かなりの変化球でチャレンジングなオープニングですが、それが今までにない朝ドラが始まるという視聴者の皆さんの期待感につながればいいなと思っています」と挑戦に込めた思いを明かした。

 窪田と二階堂は“原始人”役を「結構、楽しんで演じていただいたと思います」。紀元前1万年から始まる朝ドラは「たぶん、かつてないでしょうね(笑)。『何が始まったんだろう?』とキョトンとする方もいるかもしれませんが、そうしているうちに、このドラマに興味を持って楽しんでご覧いただければ、うれしいです」と呼び掛けた。

 一連の冒頭のプロローグについて、窪田は同局を通じて「ホントに短いシーンなんですが、西部開拓時代の教会でカウボーイ姿で泣いているところですね。細かい指示なく、すぐ本番、ワンカットで撮影したので印象に残っています。皆さんが歌ってくれた賛美歌も美しかったですし、ひつぎの中の神秘的な二階堂さんの表情もかわいかったです」と振り返った。

 昨年前期「なつぞら」で節目の100作目を迎えた連続テレビ小説。特設サイト「朝ドラ100」の舞台年表によると、最も古い時代が描かれたのは15年後期「あさが来た」の1857年(安政3~4年)。あくまで冒頭のプロローグとはいえ「エール」の紀元前1万年が朝ドラ“最古”とみられる。

 また、最終回を除き、通常はオープニングに流れる朝ドラのタイトルバックをエンディングに持ってくる演出は、昨年前期「なつぞら」第114話(8月10日)でも行われた。ヒロイン・なつ(広瀬すず)&坂場(中川大志)らの結婚式が描かれるラスト2分、全編アニメーションの通常タイトルバックをやめ、新郎新婦を祝うために勢ぞろいした主要キャラクターたちの表情が映し出される中、出演者・スタッフのクレジットテロップが画面下、右から左に流れた。

 16年の大河ドラマ「真田丸」第44話「築城」(11月6日)でも、オープニングのタイトルバックをエンディングに持ってくる異例の演出がなされた。

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