藤井聡太七段 叡王戦初の予選敗退 驚きの一手も「手が見えなかったので…」と反省しきり

[ 2019年8月29日 21:18 ]

午後7時に大阪市の関西将棋会館で始まった叡王戦段位別予選の七段戦A組2回戦で村山慈明七段(右)に敗れ、終局後も考え込む藤井聡太七段
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 将棋の最年少プロ棋士・藤井聡太七段(17)が29日、大阪市の関西将棋会館で指された叡王戦段位別予選の七段戦A組2回戦で村山慈明七段(35)に107手で敗れた。参戦した過去2期連続で本戦入りを果たしていたが、初めて予選で敗退。「また実力をつけて来年頑張りたい」と淡々と語った。

 午後7時スタートの珍しい“ナイター対局”だったが、過去5戦5勝と得意にしており、戸惑いはまったくなかったはず。ただ、この日は、先に持ち時間をすべて使わされ、1分将棋に追い込まれる苦しい展開となった。

 そこで繰り出したのが、持ち駒から打ち込んだ74手目[後]7五角。相手の村山をして「頭になかった」という驚きの一手で、将棋ソフトでも藤井優勢に大きく傾く“勝負手”のように一見映った…が、藤井自身の心中はまったく逆だった。「手が見えなかったので…よくなかったというか、そこからダメになってしまった」。終局後は敗因に挙げ、反省しきりだった。

 次局は世間の注目を浴びる、来月1日の第69期大阪王将杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の2次予選3組決勝。自身初の挑戦者決定リーグ入りを懸けて谷川浩司九段(57)に挑む。

 そんな大一番を前に、高校生活2年目の夏を締めくくるこの日の対局は“まだまだ宿題山積”の思いを強くさせたかもしれない。

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