是枝裕和監督「真実」ベネチア映画祭OP上映 海外記者絶賛「感動的」「カトリーヌ・ドヌーヴ圧巻」

[ 2019年8月29日 05:43 ]

最新作「真実」が第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品に選ばれ、レッドカーペットに登場した(左から)ジュリエット・ビノシュ、是枝裕和監督、カトリーヌ・ドヌーヴ(C)Getty Images
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 世界三大映画祭の1つ、第76回ベネチア国際映画祭が28日夜(日本時間29日未明)、開幕。是枝裕和監督(57)の最新作「真実」(日本公開10月11日)がコンペティション部門オープニング作品としてワールドプレミア上映された。日本人の監督作品がオープニングに選ばれるのは史上初の快挙。

 「シェルブールの雨傘」「終電車」「8人の女たち」などの仏女優カトリーヌ・ドヌーヴ(75)、「ポンヌフの恋人」「イングリッシュ・ペイシェント」「ショコラ」などの仏女優ジュリエット・ビノシュ(55)、「トレーニング デイ」「6才のボクが、大人になるまで。」「ビフォア」シリーズなどの米俳優イーサン・ホーク(48)らをキャストに迎えた是枝監督初の国際共同製作映画。国民的大女優ファビエンヌ(ドヌーヴ)がつづった自伝本「真実」をめぐり、ニューヨークで脚本家をしている娘リュミール(ビノシュ)の間に隠された“ある真実”があらわになる…。撮影は昨年10月から2カ月、全編フランスで行われた。

 公式上映に先立ち、会見に臨んだ是枝監督は「まずはこの素晴らしいキャストとともに作り上げた本作をオープニング作品に選んでいただいたベネチア国際映画祭の方々に、この場で感謝したいと思います。ありがとうございます」とあいさつした。

 晴天に恵まれ、フォトコールにはドヌーヴがレースのあしらわれた優雅なプラダのドレス、ビノシュが赤を基調としたグッチのジャケットスタイルでスタイリッシュに登場した。

 海外プレスからは好反応。「まるで彼女が自分で脚本を書いたのではないかと思うほどカトリーヌ・ドヌーヴが圧巻でした。彼女の演技も素晴らしかった。それに感動的だしね」「とても良かったです。この監督は日本人で…通常、海外の監督を起用すると、おかしなことが起こりがちですが、この映画は違いました。とても良い映画です。カトリーヌ・ドヌーヴもいつも通り素晴らしかったですね」「母親や娘なら誰もが感動する物語で、とても良かったです。ずっと泣いていましたが、大好きでした。是枝監督は天才ですね」「非常に感動的な映画です。脚本も良いし、柔らかい作品です。是枝監督のヨーロッパデビューに相応しい映画だと思います」「一見フランス映画のように見えるのに、フランス映画ではないという点が興味深かったです。台詞が非常に精密でした。言葉の1つ1つが非常にうまく書かれているのが分かります」などと絶賛の声が相次いた。

 授賞式は9月7日(日本時間8日)。是枝監督は、昨年の第71回カンヌ国際映画祭で「万引き家族」が日本映画21年ぶりとなる最高賞“パルムドール”を受賞し、世界的に注目を集めている。

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