「なつぞら」山寺宏一が徳川夢声や森繁久彌に?“声優”役に重圧も…アテレコ“七色の声”にネット反響

[ 2019年6月13日 08:15 ]

連続テレビ小説「なつぞら」で“声優”役を演じた山寺宏一(C)NHK
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 声優の山寺宏一(57)が13日放送のNHK連続テレビ小説「なつぞら」(月~土曜前8・00)第64回に登場した。無声映画の弁士にして、戦後はラジオやテレビなど多方面で活躍し、マルチタレントの元祖といわれる徳川夢声が連想される元活動弁士・豊富遊声を演じ、さらに劇中アニメ映画の原作「白蛇伝」の森繁久彌に当たる役どころに「大変なプレッシャーでした」と重圧を吐露。緊張しながらも平常心を保ち、アテレコシーンで“七色の声”を披露した。

 山寺の圧巻の“本業”シーンに、関連ワード「山寺さん」「白蛇伝」がツイッターのトレンド入り、「白蛇姫」「森繁久彌」がYahoo!リアルタイムの検索の上位に入るなど、インターネット上で反響を呼んだ。

 女優の広瀬すず(20)がヒロインを務める節目の朝ドラ通算100作目。大河ドラマ「風林火山」や「64」「精霊の守り人」「フランケンシュタインの恋」、映画「39 刑法第三十九条」「風が強く吹いている」などで知られる脚本家の大森寿美男氏(51)が2003年後期「てるてる家族」以来となる朝ドラ2作目を手掛けるオリジナル作品。戦争で両親を亡くし、北海道・十勝の酪農家に引き取られた少女・奥原なつ(広瀬)が、高校卒業後に上京してアニメーターとして瑞々しい感性を発揮していく姿を描く。

 山寺が演じたのは、元活動弁士の豊富遊声(とよとみ・ゆうせい)。昭和32年(1957年)春、なつが仕上課で働く東洋動画のアニメ映画「白蛇姫」が完成。遊声は現在の声優に当たる仕事を引き受けた。当時は声優という職業がまだ確立していなかった。 

 遊声は、助けた白蛇が変身した美女・白娘(ぱいにゃん、声:亀山蘭子=鈴木杏樹)と恋に落ちる青年・許仙(しゅうせん)、2人の関係を阻む高僧・法海(ほっかい)の声を演じ分けた。

 劇中アニメ映画「白蛇姫」は、1958年(昭33)に公開された東映動画(現東映アニメーション)による日本初のカラー長編アニメ映画「白蛇伝」が原作。「白蛇伝」は森繁久彌と宮城まり子(92)が声の出演をした。 

 アテレコの途中、咲太郎(岡田将生)が蘭子に「(豊富先生は)上手ですが、森繁久彌なら、もっとうまい気がします」と語るセリフがあり、「なつぞら」の世界には森繁が存在する“複雑な設定”も。森繁へのオマージュとみられる。 

 山寺は「(演じた豊富遊声が)あの伝説の語りのスペシャリスト(徳川夢声)を参考にした人物であろうことは、役名から想像がつきました。かつ、アニメーション作品(白蛇姫)にアテレコをしましたが、元になった作品(白蛇伝)では日本芸能史に残る名優(森繁久彌)が声を担当なさっています。よって大変なプレッシャーでした」としながらも「あまり撮られていることを意識せず、普段の声優の仕事と同じような気持ちで臨みました」と平常心。 

 「ほとんどがアテレコシーンでしたし、とても良い雰囲気の中、撮影が行われたので、緊張しつつも楽しく演じさせていただきました」と充実の時間を振り返った。 

 「七色の声を持つ男」と呼ばれる声優界の“山ちゃん”は昨年前期「半分、青い。」に続く2回目の朝ドラ出演。「半分、青い。」は第48回(5月26日)で秋風(豊川悦司)のかかりつけ・信濃町大学病院の医師を演じた。

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