有村架純「ひよっこ」が培ったたくましさ 続編でも実感「“家族”がいる現場の力」

[ 2019年3月26日 10:00 ]

前田みね子を演じる有村架純(C)NHK
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 女優の有村架純(26)がヒロインを務めた2017年前期のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」の続編「ひよっこ2」(25日から4夜連続、後7・30)が帰ってきた。25日に放送された第1話では、本編終了直後に“ロス”に見舞われていたファンたちから「懐かしいあたたかさ」など歓喜の声。有村も2年ぶりとなった“家族”や仲間との優しい時間を振り返りつつ、「小さい幸せを一緒に感じてほしい」と呼びかける。

 撮影は昨年9月にスタート。当時は、教え子と“禁断の恋”に落ちる新任教師役に初挑戦した「中学聖日記」(TBS系)の撮影も行われていた。シリアスな展開が続いていた「中学聖…」だっただけに、本作に臨むにあたり、当初「自分の中では、完全にみね子になってはいけないのでは」という葛藤もあったという。

 そんな思いを抱えつつ、まず始まった茨城でのロケ。「あの場に立って、ああ、懐かしいって思ったし、谷田部家のみんながいて 、この空間だあっていうのを感じた」と一気にタイムスリップに成功した。もちろん、茨城弁も「すぐに戻れました」。実感したのは土地の力、そして、“家族”がいる現場の力だった。

 ただ、順調に茨城ロケを終えたものの、その後のスタジオ収録でもまた苦労が。黒崎博監督からは「声が違う。早く戻ってきて」と指摘されたといい、それはほかの共演者も同じだったそう。「(本編終了後は)全然違う役柄をやってきたので、リハーサルでも、みんなちょっとずつ違うんですよ、“誰ですか?”ってくらい(笑い)。なかなか、すぐには戻れないものなんだなって。いろいろな時の流れ。みなさんもいろんな現場を経験されたんだなっていうのを感じて、ちょっと面白かったですね」と楽しそうに振り返る。

 みね子たちの日常を描き、観る者の心をほっこりとさせた同作。続編でも同じ温かさを感じられそうだ。岡田惠和氏(60)の脚本について「“これがひよっこだな”っていう世界を書いてくださっている」とし、「本編が終わって1年以上たちますが時間がたっていないような感覚になれたので、視聴者の方も“ああ、これこれ”っていうような気持ちになってもらえるんじゃないかと思います」。変化したことの一つといえば、磯村勇斗(26)演じる、ヒデこと見習いコックの前田秀俊との関係性。2人が結婚してから2年後の設定だけに「クランクインの時に『前田みね子役の…』って紹介していただいて、もう『谷田部』じゃないんだって。いつも結婚指輪をしていたり、一緒に住んでいたり。2人(みね子とヒデ)とも初々しくて、かわいいなあって思いながら演じていました」。

 本編での10カ月にわたる撮影が終わった際、有村について岡田氏は「何でもできる最強レベルに達した女優」と評したが、今回も「安定感みたいな、包容力というのはすごいなとあらためて思った。『ひよっこ』が愛されているのは、彼女だからこそ」と絶賛した。有村も「『ひよっこ』にすがっているつもりはなくて、いい意味で過去になっている。一日一日を乗り越えた自信があったから、いまはどんな過酷なことにぶつかっても乗り越えられるような気がしている」と、同作を通じての自身の成長を感じている様子だ。

 最終回を迎える前から“ロス”が広がった本編。待望の続編がスタートし、第1回オンエア後は早くも「些細な日常が心にしみる」「優しい時間はそのまま」「朝ドラ時代は“今日も頑張ろう”と思い、夜の放送の今回は“明日も頑張ろう”って思いになった」と、反響を集めている。「繰り広げられる日常の中に、大事なせりふもありますし、日常を描いているんですけど気付ける部分もちゃんとある。みね子と同じように小さい気付きや幸せを一緒に感じてもらいたいし、たくさん笑ってもらえたらうれしいです」。朝ではなく、ほこっりとした夜もいいかもしれない。

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