畠山愛理、肩書きに頼らないプロ意識 ノープランだった引退後も「自分らしく」

[ 2018年7月27日 08:00 ]

元新体操・日本代表の畠山愛理
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 元新体操・日本代表で現在はスポーツキャスターなどを務める畠山愛理(23)。4月からはNHK 「サンデースポーツ」(日曜後10・00)でのリポーターとしての活動に加え、BSジャパン「バカリズムの30分ワンカット紀行」(金曜深夜0・00)で、バラエティー番組初レギュラーに挑戦中だ。ますます多方面での活躍を期待される畠山本人に現役時代の話、将来の目標を聞いた。

 ◆ノープランだった引退後「何もなくなっちゃう感覚」

 2大会連続で五輪に出場し、フェアリージャパン(日本代表)の主将も務めた畠山は、2度目の五輪となった2016年のリオ大会を区切りに現役を引退。「『競技を続けるなら五輪まで』という思いがあって、また4年続けられるか…と自分の体と相談した上で、リオ五輪で全てを出し切ろうと決めていました」と当時を振り返る。

 引退後については「全然考えていませんでした」とノープランだった。「リオ五輪の前は新体操以外のことは考えられない状況だった」と最後の最後まで新体操に全力投球。引退後は「引退して新体操を辞めてしまった時に、新体操以外の知識もあまりなく、『何もなくなっちゃう感覚』がありました。だからこそ引退してからの1年間はたくさんのことを経験しよう」とキャスター、モデル、タレントとしての活動、さらに後進を育成するコーチングも行ってきた。

 ◆「自分は自分らしく」 引退しても活動の中心にはスポーツ

 「スポーツと関わるお仕事が今までの自分の経験も生かせる」とやりがいを感じた1つがキャスターとしての仕事だった。「最初は原稿を読むことが全然できなくて、伝える技術のなさに『うわっ…』となった」というが、「最初がダメダメだったので、できるようになる感覚がすごくうれしくて。だからこそ続けていきたいと思いました」と語る。「アスリートの思いや直面している壁を自分の経験と照らし合わせることができますし、スポーツ選手同士でしか感じられないものを感じ取ることができる部分もあると思うので、そこが強みだと思います」とアスリートとしての経験が武器になることも自覚している。

 「あのキャスターさんみたいになりたい、という目標はありません。自分は自分らしくという思いが強いです」と畑が違っても自分を強く持つが、「スポーツは目標がすごく明確でしたけど、引退すると『五輪を目指す』みたいな大きな目標がなかなか見つからない」と勝手の違いも。「言葉にして伝える力など、課題を少しずつ克服していって、近くにある目標を1つずつクリアしていきたいです」と抱負を語る。

 ◆肩書きには頼らない「五輪選手だったと分からないぐらい、その仕事のプロに」

 現在は「これだ!と思えるものを探している段階」という畠山。今後については「いつかは、これだ!と思う何か1つに(活動を)しぼるときが来ると思いますが、その分野では『本当に五輪選手だったの、この人?』と思ってもらえるようなパフォーマンスを発揮できる人間になっていたい」と目標を立てる。

 「肩書きが『新体操の元日本代表』で、まだ自分でも『新体操・元日本代表の畠山愛理です』と自己紹介しているので、いつかは肩書きとか関係なく、そのお仕事のプロになりたいです。中途半端だと、その道を目指している人に失礼だと思うので。私が新体操でなかなか上に行けなかったのと同じように、どの業界でもトップになるということは相当に大変なことなので、強い気持ちを持ち続けていきたいです」。華麗な演技で世界中を魅了した新体操選手が強い覚悟とプロ意識を胸に第2の人生を歩み始めている。

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2018年7月27日のニュース