直木賞作家の津本陽さんが死去 「下天は夢か」など執筆、89歳

[ 2018年5月28日 19:35 ]

 「下天は夢か」などの歴史小説や剣豪小説で知られる作家の津本陽(つもと・よう、本名寅吉=とらよし)さんが26日午後10時10分、誤嚥性肺炎のため東京都文京区の病院で死去した。89歳。和歌山市出身。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は妻初子(はつこ)さん。後日、お別れの会を開く。

 東北大法学部卒業後、10年以上の会社員生活を経て、同人誌「VIKING」で作家活動を始めた。和歌山で捕鯨に携わる漁師を描いた「深重の海」で1978年、直木賞を受賞。

 「明治撃剣会」をはじめ、重厚で迫力あふれる文体の剣豪もので人気を集め、その後は戦国武将や幕末の英傑などを描いた歴史小説を中心に膨大な作品を発表し続けた。織田信長が主人公の「下天は夢か」はベストセラーとなった。

 95年に「夢のまた夢」で吉川英治文学賞受賞。紫綬褒章や旭日小綬章も受章した。2005年には、旺盛な作家活動を評価され菊池寛賞が贈られた。06年まで直木賞の選考委員も務めた。

 剣道三段、抜刀道五段の腕前。他の代表作に「柳生兵庫助」「乾坤の夢」「異形の将軍 田中角栄の生涯」などがある。

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