「半分、青い。」北川悦吏子氏 岐阜・美濃加茂市制定「坪内逍遙大賞」出身者&脚本家初の栄誉「身に余る」

[ 2018年5月28日 19:25 ]

出身地の岐阜県美濃加茂市制定の「第17回坪内逍遙大賞」に輝いた脚本家の北川悦吏子氏
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 放送中のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」(月〜土曜前8・00)の脚本を手掛ける北川悦吏子氏(56)が、岐阜県美濃加茂市が生んだ日本近代文学の先駆者・坪内逍遙の功績を称えて制定された「第17回坪内逍遙大賞」に選ばれたことが28日、同市内で発表された。北川氏は同市出身で、同市出身者の受賞は初。脚本家の受賞も初となった。朝ドラ執筆中の北川氏にとっては心強い表彰になりそうだ。

 また、選考対象は「演劇に関する活動・著作のうち、坪内逍遙の功績を再認識させるような優秀な活動・著作が対象(さかのぼって成果を収めた事柄も含む)。全国を対象とし、個人・団体は不問」。対象分野は「演劇に関する脚本、演技、演出、制作、舞台美術、その他の舞台活動、研究・評論」。テレビドラマを中心に活躍してきた北川氏の受賞は異例となった。

 市制40周年を記念し、1994年度に「坪内逍遙大賞」を制定。2006年度(第11回)から隔年実施。07年4月に早稲田大学と「文化交流に関する協定」を締結したことにより、美濃加茂市と早大が隔年で実施している。

 今回の授賞理由について、選考委員会は「北川悦吏子氏は、1989年『月曜女のサスペンス』の一編『赤い殺意の館』で脚本家デビュー後、テレビドラマの世界で長年にわたりご活躍されました。特に、90年代のテレビ恋愛ドラマ『素顔のままで』『あすなろ白書』『愛していると言ってくれ』『ロングバケーション』など、次々にヒット作品を世に送り“恋愛の神様”とも呼ばれ、ドラマ界に旋風を巻き起こしました。近年は、映画監督、舞台作家としても活躍され活動の場を広げておられます。また、この4月から始まりましたNHK連続テレビ小説『半分、青い。』の脚本に携わるなど、今後の益々のご活躍を期待されているところです」と説明した。

 北川氏は「この度は、身に余る賞を頂きありがとうございます」と喜び。「先々のプランや、目標など何もなく生きてきました。ただ、その時々、目の前あるものを、目の前にある状況をどうするか?どう生きるか。たまには、もう今日はいいや、とさぼったりもしたけれど、次の日には、目を開けて、それを見つめて、自分なりに、誠実に自分の人生を生きてきました」と振り返りながら「この度の受賞は、そんな風にささやかだけれど、自分なりに頑張ってきたご褒美か、と思います。大きな野心はないけれど、これからも、しょげず、投げやりにならず、前を向いてこの賞をいただいたことに恥じないように、頑張って行きたいと思います」と決意を表明。「本当に、どうもありがとうございました」と感謝のコメントを発表した。

 ◆過去の受賞者(1)歌舞伎俳優 六代目中村歌右衛門(2)俳優 島田正吾(3)声優 加藤道子(4)劇団 前進座(5)狂言師 野村万作(6)俳優 小沢昭一(7)俳優 仲代達矢(8)歌舞伎俳優 四代目中村雀右衛門(9)女優 二代目水谷八重子(10)歌舞伎俳優 九代目松本幸四郎(11)能楽師 観世榮夫(12)歌舞伎俳優 二代目中村吉右衛門(13)歌舞伎俳優 十五代目 片岡仁左衛門(14)日本舞踊 四世宗家家元花柳壽輔(15)女優 吉永小百合(16)女優 渡辺美佐子

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