亜咲花、17歳が抱く夢「世界に届けたい」アニソンの魅力 亡き恩師に誓う活躍

[ 2017年8月18日 10:00 ]

「世界にアニソンを届けたい」と話す高校生アニソンシンガーの亜咲花
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 7月26日に2枚目のシングル「Edelweiss(エーデルワイス)」を発売、その歌唱力にあらためて注目が集まっている高校生アニソン歌手・亜咲花(あさか)さん。17歳が抱く、成し遂げたい夢とは――。

 飛び抜けた歌唱力で、聴く人を一気に魅了してしまう17歳。実は、小さいころに夢見た職業は歌手ではなかったという。3歳から5年間、米国ミシガン州で生活。その英語力を生かして通訳になることを目指したが、帰国して見たアニメがそのベクトルの方向を変えた。

 「『涼宮ハルヒの憂鬱』のエンディングでアニメのキャラクターが歌って踊っている姿に衝撃を受けて、さらにBerryz工房さんの『イナズマイレブン』のエンディング曲を聴いて、アニソンにハマってしまった。そこから調べるうちにアニソン歌手という職業を知り、自分も歌えるようになりたいと強く思うようになりました」

 音楽を将来の仕事としていくことに不安もあったが、当時の中学の音楽教師から「歌がうまいのだから、歌手になりなさい」と背中を押してもらったことが力に。その恩師が翌年に亡くなったことで、進む道が定まった。「先生に感謝の気持ちを届けないといけない。絶対にアニソン歌手になるって決意したんです」

 通訳から歌手へと夢の軌道修正。「両親に、特に母親にはそのことを急に伝えるのも無謀だと思ったので、カラオケ大会やのど自慢に出て結果を残そうと思っていました」。実績作りのため多くの大会に参加。しかし、出場を重ねるうちに「どうしたら歌を届けられるのか、思いを伝えられるのかという気持ちの方が強くなってしまって」。歌が好きという純粋な気持ちにあらためて気付いたという。

 強い覚悟は両親にも伝わり、中3からは本格的なボイストレーニングも導入。大会に出場するたびに成長していく姿や、オーディションで現在の事務所社長の目に留まり、昨年10月のテレビアニメ「Occultic;Nine-オカルティック・ナイン-」のエンディング曲「Open your eyes」でのデビューへと結びつけた。

 「先生には天国から見続けてもらいたいですし、両親や関係者の方たちにも恩返しをしていければ」。中高一貫の国際校に通い、来春には卒業を控える。目下の目標は世界最大級のアニソンのライブイベントと言われる「Animelo Summer Live(アニサマ)」への出演。「自分の中で、アニサマに出られたら一人前のアニソン歌手。あこがれの先輩方と一緒に歌える日が来るように」。また、英語力を生かして、アニソンやアニメの魅力を海外に伝える役割をしていきたいとも話す。

「名前に“花“が入っているので、花にまつわることもしたいんです。ライブで、ペンライトの替わりにお花を振るとか。客席を花いっぱいに彩りながらファンの方たちと素敵な空間を共有したい」。“アジアに咲く花”と書いて亜咲花。「アジアはもちろんですけど、アメリカなど世界中でアニソンという花を満開にさせたい。自分のやりたかった職業で夢を叶える贅沢なことをさせていただいている。何があっても苦ではないです」と目を輝かせる。

尽きない可能性。夢は広がるばかりだが、まずは残り半年となった学生生活を無事ゴールインさせることも大事だ。「卒論と、卒業プロジェクトという2つの大きな課題があるんですけど、まだテーマが決まってなくて。高校4年生になるわけにはいきませんから頑張らないと…」。圧倒的な歌唱力の持ち主が見せた弱音。そのかわいらしい表情は、女子高生の顔そのものだった。

 ◇亜咲花(あさか)1999年10月7日生まれ、愛知県出身。3歳から5年間、米国ミシガン州で過ごす。全国ののど自慢やカラオケ大会で結果を出しながら実績を重ね、16年10月にテレビアニメ「Occultic;Nine―オカルティック・ナイン―」のエンディング曲「Open your eyes」でデビューした。現在、愛知県内の高校に通学中。趣味はアニメ鑑賞、コスプレ、ネイルアートなど。血液型B型。

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