虎の守備を支える筒井コーチの気遣いルーティン「少しでもタイガースの勝ちにつながるのであれば」

[ 2023年4月17日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神1―2DeNA ( 2023年4月16日    横浜 )

<D・神>4回、中野(右)との連係で木浪が一塁へ送球し併殺に仕留める(撮影・久冨木 修)
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 【畑野理之の談々畑】阪神の守備がいい。2回先頭の関根大気の風にも流された右翼への大飛球を、森下翔太がフェンス手前でジャンプして好捕。5回2死、佐野恵太の中堅フェンス手前の飛球も、近本光司は普通に捕っていたが決して簡単ではなかった。

 4回無死一、二塁での桑原将志の二ゴロ併殺も、中野拓夢と木浪聖也の新二遊間コンビがしっかりと完成させたのも見逃せない。先発の才木浩人が2回からの6イニングを無失点で粘れたのは、これら3つのプレーが大きい。初のカード負け越しとなった岡田彰布監督だが、ディフェンスが乱れていないうちはそれほど悲観はしていないだろう。

 一塁ベースコーチの筒井壮外野守備走塁コーチは阪神の攻撃が終わると、毎回、必ず一塁ベース付近の土をならしてからベンチへ戻る。走者が多く出た時は特に、一塁手の大山悠輔が守備位置に就く頃まで時間をかけて掘れたデコボコを平らにしていた。

 19年シーズンから一塁ベースコーチに立つ同コーチは「何か起こったらイヤですから」とポツリ。いつ頃からか、どの球場、どの試合でも、毎イニングのルーティンになっている。

 21年10月9日の神宮球場でのヤクルト戦。同点の7回の攻撃で、1死二塁から島田海吏の引っかけた平凡なゴロがアンツーカー(人工土)で不規則に跳ねてホセ・オスナのグラブをすり抜けて右翼線へ転がり、決勝の二塁打になった。普通はアンツーカーでイレギュラーはしない。野球の神様が味方してくれて、まさかを起こしてくれた瞬間を目の前で見た。

 「以前からやっていましたが、(昨年まで一塁を守ることが多かった)マルテにも“いつもありがとうございます。感謝しています”ってずっとお礼を言われていたこともあって、必ずならすようにしています。両チームが良いプレーをしてくれればいいですし、少しでもタイガースの勝ちにつながるのであれば、これからも喜んでやりますよ」

 阪神の一塁手の大山が3つ、DeNAのネフタリ・ソトが5つのゴロを無難にさばいていた。難しい打球も、イレギュラーバウンドも一つもなかった。両軍無失策の引き締まった好ゲームだった。

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2023年4月17日のニュース