新ルールに戸惑い…ダルビッシュ痛恨ボーク ベンチの指示「ピッチアウト」が誤って「ピックオフ」と伝達

[ 2023年4月17日 18:07 ]

ブルワーズ戦に先発したパドレスのダルビッシュ(AP)
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 今季からMLBで導入された「DISENGAGEMENT RULE」でパドレスのダルビッシュ有投手(36)が16日(日本時間17日)、7回4安打1失点と好投しながら2敗目を喫した。「DISENGAGEMENT(離脱、解放状態、撤回) RULE」は意訳すれば、「投球動作の撤回に関してのルール」だろうか。マウンド上で、一人の打者と対峙している間、プレートを踏んだ投手が、プレートを外したりけん制できるのは2度まで、3度目は塁上にいる走者をアウトにしない限り、ボークとなってしまう。

 2回1死、ブルワーズの5番打者ギャレット・ミッチェルがバント安打。ダルビッシュは次打者アンダーソンに初球を投げる前に、一度プレートを外し、それが1度目の「DISENGAGEMENT」にカウントされた。ダルビッシュはアンダーソンに1ボールの後、一塁けん制。ダルビッシュの頭の中ではそれは1度目の「DISENGAGEMENT」だったが、球審は2度目の認識で、パドレスベンチにも確認した。

 1-1の後、パドレスのボブ・メルビン監督は走ってくると思い、ピッチアウトのサインを出した。オースティン・ノラ捕手がピッチコムにその指示を打ち込んだが、なぜかダルビッシュには「ピックオフ」と誤って伝ってしまう。ダルビッシュはけん制をしたが、頭から戻ったミッチェルはセーフ。3度目の「DISENGAGEMENT」がアウトにならなかったため、一塁塁審はボークを宣告、走者は二塁に進んだ。

 メルビン監督は大リーグ公式サイトの取材に「あそこが問題。ピッチコムでは(押し間違いで)時々球種を間違うことがあるが、今回はピッチアウトがけん制になってしまった」と説明している。

 走者二塁。その後カウントが2-2まで進んだところで、ミッチェルが三盗に成功。6番ブライアン・アンダーソンがフルカウントから左翼に犠飛を打ち上げ1点を奪い、それが決勝点になった。

 この日のダルビッシュは7回4安打1失点で12奪三振と相手打線を圧倒した。12奪三振は21年の8月7日以来だ。だが今季はルールが変わり、バットだけでなく足で得点を稼げる。パドレスは4月4日のダイヤモンドバックス戦でも足でかき回され逆転負けを喫した。今季のMLBではこういった攻撃パターンが確実に増える。スター軍団のパドレスは優勝候補の一角だが、ここまで8勝9敗と苦戦している。

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2023年4月17日のニュース