ソフト・石川が31歳誕生日の誓い 千賀に学ぶ「お化けフォーク」習得 来月米国で合同自主トレ

[ 2022年12月27日 05:00 ]

31歳の目標にお化けフォーク習得を掲げた石川柊太
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 “ゴースト・マスターズ”の称号が欲しい――。27日に誕生日を迎えたソフトバンクの石川柊太(31)が来季の目標に「お化けフォーク」の習得を掲げた。来年1月から米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」でメッツ・千賀滉大投手(29)らと自主トレを行い、現地で“ゴースト・フォーク”と表現される縦落ちを完コピするつもり。来季の先発全勝につなげるプランを披露した。

 31歳を迎えた石川。先日、年俸1億5000万円で契約を更改し、自分へのご褒美は買おうと思えば手に入る。だが来季へのトレーニングに励む今、先発右腕として欲しいものが思い浮かんだ。自身のフォークとは回転軸も球質も違う千賀のフォークだった。
 「10年目の31歳。先発で31試合、31勝はさすがにしんどい(笑い)。欲しいといえば千賀のようなフォークですね。全てを学んで日本に持ち帰りたい」

 ストンと落ちる千賀の決め球は“お化けフォーク”の異名が付いた。米国でも“ゴースト・フォーク”と早くも話題となっている。お化けを退治するホラーコメディー映画「ゴーストバスターズ」が1984年に大ヒットした米国で石川は“ゴースト・マスターズ”となり、退治ではなく、完コピする。

 今オフは18年以来2度目の米国滞在を選んだ。1月7~22日まで千賀、高橋礼、阪神の浜地らとシアトルの「ドライブライン・ベースボール」で初めて調整。最新機器がそろう同施設で、フォークを徹底分析する。

 「僕のフォークはサイドスピンをかけたもので、千賀や藤井(皓哉)のものはジャイロフォーク。しっかりと中指がかかるかなどを確認していきたい」

 石川の最大の武器は、速い投球テンポと球速が速いまま鋭く変化するパワーカーブだ。さらに「ストンと落とすのが理想」と、同じ育成からメジャーリーガーに駆け上がった盟友の武器を入手する。

 今季は23試合に先発し7勝10敗、防御率3・37。ローテーションは守り抜いたが2年連続の負け越し。22日の契約更改交渉後には「ひたすら自分の柱を太くすることが今できること」と、千賀不在の来季、責任も太くする覚悟を示して登板試合全勝を掲げた。

 大化けを狙う31歳。柊(ひいらぎ)は、古くから魔よけ効果があると伝えられる。トゲのある葉と甘い香りの花が印象的な「柊」を名前の一字として両親からもらった石川が、あえて魔のボールを学ぶ。 (井上 満夫)

 ▽ドライブライン・ベースボール 米シアトル発祥のトレーニング施設。08年にカイル・ボディ氏が立ち上げた。トレーナーや医師、動作分析の専門家など、さまざまな分野のプロが常駐。科学的で個々の特徴に合った指導が受けられると評判を呼び、サイ・ヤング賞3度のドジャース左腕カーショーや、エンゼルスの大谷ら多くのメジャーリーガーが汗を流す。日本球界の選手もDeNA・今永や、今季限りの現役引退を表明した日本ハム・金子らが自主トレで訪れたことがある。近年は国外にスタッフを派遣もしており、19年には沖縄で阪神・藤浪が動作解析を行い、講習を受講した。ソフトバンクも19年宮崎秋季キャンプにスタッフを招き、動作解析を行った。

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