国学院大・古江前主将「いいちこ」にかける夢 地元・大分に恩返しを 三和酒類に内定

[ 2022年12月27日 05:05 ]

三和酒類に内定が決まった国学院大の古江

 東都大学野球1部リーグ各校4年生の進路が出そろった。国学院大の前主将・古江空知外野手は、レギュラーではなかったがベンチからの献身的な声かけで今秋リーグ戦の優勝に貢献した。卒業後は地元・大分県に戻り、麦焼酎「いいちこ」を販売する三和酒類(同県宇佐市)に就職が内定。顧客に笑顔を届ける営業マンを目指す。

 試合では、古江はベンチから常に笑顔で仲間を鼓舞した。「自分が笑顔でいれば周りを巻き込める」と話す前主将。今度は、下町のナポレオンの愛称で親しまれる一本を携え、全国の顧客に届ける。

 「“育ったところに恩返しをしたい”という気持ちで。いいちこは世界や日本中に届けられる、人を笑顔にできると思いました」

 三和酒類の本社がある大分出身。就職活動では他の企業は受けず、三和酒類だけに絞った。今春リーグ戦の開幕カードが大分で開催されたこともあり、一層、Uターン就職への思いが強まった。総合職採用だが、希望は営業職。「相手が悩んでいることにいち早く気付けることが、商品を売ることよりも大事なのかなと思ってます」と目を輝かせる。

 大分商から投手として入学するも、リーグ戦での登板機会には恵まれなかった。50メートル走5秒9の俊足を生かし、3年夏に野手に転向。人間性を買われ、レギュラーではない中で主将に選ばれた。今秋の明治神宮大会では決勝まで進出したが、明大に敗れて初優勝はならず。試合後の会見では笑顔がトレードマークだった男も「苦しいことが多かった」と目を潤ませた。それでも大会後には同級生といいちこを傾けた。「一日は長かったけど早かったよな」。仲間との会話で笑顔が戻った。

 「ここで学んだ自主性を生かして、笑顔で自社のいいちこを届けていきたい」と古江。ユニホームからスーツに着替え、地元から新たな一歩を踏み出す。(田中 健人)

 ◇古江 空知(ふるえ・そらち)2000年(平12)11月28日生まれ、大分県出身の22歳。小3で「沖代クラブ」で野球を始め、豊陽中では軟式野球部でプレー。大分商では投手として1年夏からベンチ入りし、甲子園出場はなし。国学院大では3年秋にリーグ戦デビュー。1メートル70、65キロ。右投げ右打ち。

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