広島・会沢 34歳「体がついてこない」現実直視の打撃改革 再起へ肉体と技術両面から見直し

[ 2022年12月27日 05:00 ]

打撃改革に取り組む広島・会沢
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 広島・会沢翼捕手(34)が逆襲の誓いを立てている。出場98試合で打率・207と不振にあえいだ今季。投球に差し込まれるケースが増えており、オフは肉体強化を図りつつ“打撃改革”に着手する。チーム在籍最長となる17年目の来季。新井新政権下で再び存在を誇示し、捕手に専念する坂倉の前に立ちはだかる。

 不本意なシーズンだった。自ら年俸4000万円減を公表し、球団から「もう少しやってくれ…という話はしていただきました」と明かした契約更改の席。言いたくないであろう不都合な事実を、あえて口にするところに会沢の実直な性格が表れる。

 出場98試合で打率・207、3本塁打、33打点。盗塁阻止率も・180と低調だった。序盤は下半身、中盤には上半身とコンディション不良が頻発。本人は一切口にしないが、労組プロ野球選手会会長に就任し、諸問題の対応にも忙殺された。

 だからといって、成績ダウンの理由にはならない。本人、百も承知だ。「それ(体調面)は言い訳。あれだけダメなら何かを変えないといけない」と語る通り、厳しい現実を直視することで「一歩踏み出せたというのはある」と前を向く。

 「タイミング(を取るの)が遅かった。そこの反省がある。自分では捉えたと思っても捉えられていない。そこの埋め合わせをやっているところです」

 思う打撃ができないジレンマ。「球質が全体に上がっていると思う」。加えて34歳。年齢による体の衰えは避けられず「体が付いてこないという葛藤があった」と打ち明ける。いきおい、昨今は速球に差し込まれるケースが目立ちつつある。

 一歩踏み出して取り組む打撃改革。パフォーマンスコーディネーターの手塚一志氏が主宰する上達屋に足を運び、股関節強化を継続しつつ「全身の使い方をやっている」。肉体と技術。両面を見直しながら、光がかすかに見え始めたと言う。

 「たどり着いた部分が少しある。投手とやる(対戦する)と全然違うと思うけど、信じ続けることは大事。そういう感じです」
 色あせつつある「打てる捕手」の金看板。近年は故障がちでもあり、誰に指摘されるまでもなく、会沢自身が情けない思いを強く抱く。チームの、プロ野球選手会のまとめ役という重職を担いつつ、再起へ。意地を見せる。

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2022年12月27日のニュース