中畑清氏 「投手・大谷」WBCではジョーカー役でどう?

[ 2022年12月27日 05:10 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】宮崎の友人から連絡があった。「ホテルはもう取れないよ。ウチに泊まったら?」。来年3月のWBCに備えて侍ジャパンが強化合宿に入る2月後半、宮崎市内のホテルは早くも予約でいっぱいというのだ。

 東京ドームで行われる1次ラウンドの日本戦チケットも取れないって。凄いWBC人気。大谷(エンゼルス)やダルビッシュ(パドレス)、鈴木(カブス)が早々と参戦表明した効果は絶大だ。

 なかでも大谷が大きいよね。今季ベーブ・ルース以来104年ぶりの2桁勝利、2桁本塁打を記録。今や投打ともにトップクラスの二刀流として大リーグを引っ張る存在になっているんだ。

 日本のファンにとっては米国に行かなくても生の大谷が見られるチャンス。しかも日の丸を背負って戦ってくれるんだからたまらない。そりゃあチケットは売れるさ。ホテルも満杯になるよ。

 さて栗山監督はこの大谷をどう使うのか。打者として毎試合DHに入れるとして、投手としてはどんなミッションを与えるのだろう。私なら「ジョーカー」として一番の勝負どころでマウンドを託したいな。

 大勢(巨人)らが重圧に押しつぶされそうになったときの抑え。あるいは1点もやれない場面で第2先発に代わる中継ぎ。はたまた先発か。

 いつ大谷がマウンドに出てくるか戦々恐々としている相手がチャンスで「ここだ」と盛り上がった場面で起用。大谷は雄叫びとともに160キロ超の速球を投げ込んで打者を斬り、侍ジャパンに勝利を呼び込むというイメージだ。

 先発候補は質量ともに充実している。山本(オリックス)、ダルビッシュ、佐々木朗(ロッテ)、今永(DeNA)、戸郷(巨人)、高橋(ヤクルト)、高橋宏(中日)、伊藤(日本ハム)、宮城(オリックス)…。第2先発も含めて十分駒がそろっている。

 セットアッパー候補は湯浅(阪神)、山崎颯、宇田川(ともにオリックス)、抑えは大勢のほかに栗林(広島)、松井裕(楽天)もいるけど、大リーグ仕様の硬いマウンド、滑りやすいMLB公認球への対応は未知数。だからこそ「ジョーカー」に期待しちゃうんだよね。
(本紙評論家・中畑 清)

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