阪神・青柳が投手3冠!「みんなのおかげ」チームメートに感謝 CS初戦、打倒DeNAの熱投で必ず恩返し

[ 2022年10月4日 05:15 ]

3冠に輝いた阪神・青柳
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 セントラル・リーグのレギュラーシーズン全日程が3日に終了し、阪神の青柳晃洋投手(28)が最多勝、勝率第1位、最優秀防御率の「3冠」を手にした。最多勝、勝率第1位を2年連続で獲得するのは、今季のオリックス・山本由伸投手(24)とともにリーグ初めて。8日からDeNAと激突するクライマックスシリーズ(CS)ファーストS(横浜)でも初戦を託されることが濃厚な右腕が、タイトル奪取を追い風に、猛虎の下克上をけん引する。

 苦闘の先にたどり着いた「3冠」に青柳は感謝の言葉を並べた。

 「獲れたのはうれしいですけと、自分一人で獲ったものではない。チームが打ってくれたから勝ってますし、勝率は悠輔(大山)が同点の9回ツーアウトから打ったり、負けを消してくれた野手の頑張りがあった。みんなのおかげで、それが一番うれしい」

 コロナ感染での出遅れや、シーズン終盤に1カ月以上、白星から見放されるなど紆余曲折(うよきょくせつ)はありながら、フル回転で身を粉にして手にしたタイトル。仲間との力の結集と表現するあたりに人柄がにじむ。最多勝、勝率第1位は昨年に続き2年連続でリーグ初。ここでも「パ・リーグには(山本)由伸っていう2年連続5冠くらいのバケモノがいる。それに比べたらちょっと劣る」と謙そん。ただ、昨年は2位に終わった防御率でのトップには「今年はそれを目指している部分があったので凄くうれしい」と頬を緩ませた。

 同僚のアシストが引き寄せた3冠でも、自身の進化も大きな要因だ。「成長しようと思ってやってきたことをキャッチャーと話しながら。配球のバリエーションが増えた」。昨年から習得したシンカーの精度向上、高めを活用した配球など向上心による鍛錬が他球団の研究、対策を上回った。目標だった15勝には届かずも「年間通して良い数字で終われたのは僕の成長、捕手のリードのおかげ」とうなずいた。

 任務はまだある。チームは3位に滑り込みCS進出。ファーストSではシーズン8連敗で終わった敵地・横浜でDeNAとぶつかり、8日の初戦に登板することが濃厚。今季は3勝(1敗)を挙げながら、防御率は球団別ワーストの3・18。雪辱へ「一番打たれているチーム。捕手としっかり話し合っていかなきゃなと思う」と表情を引き締めた。

 今シーズン終了とともに、矢野監督は退任する。「1軍に連れてきてもらったと思っている。監督に1試合でも多くユニホームを着てもらうというのは恩返しになる。CSに出るからには日本一まで、一番長くユニホームを着てもらえたらなと」。指揮官への恩も白球に込め、下克上への道を切り開く。(遠藤 礼)

 【データ】セ・リーグで防御率、勝利数、勝率の投手3冠は11年の吉見一起(中=防1.65、18勝、勝率.857)以来。阪神では03年の井川慶(防2.80、20勝、勝率.800)以来19年ぶりになる。

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