阪神 岡田新体制ドラフト戦略は「北の国から」 球団56年ぶり道内の高校生を上位指名も

[ 2022年10月4日 07:00 ]

東海大札幌・門別啓人

 阪神が、20日のドラフト会議で、北海道の高校生3投手を上位候補にしていることが3日、分かった。ドラフトで道内の高校生を獲得すれば、球団では66年釧路江南の平山英雄投手以来56年ぶり。監督就任が内定している岡田新体制の新人戦略は「北の国から」が一つのテーマになる。

 1位候補は、野手は高松商・浅野翔吾、投手は白鴎大・曽谷龍平の名前が挙がる。「右打ちの野手」と「左腕」という球団の2大補強ポイントを埋める2選手だが、どちらを指名したとしても重複は避けられない。次善策は不可欠で、「外れ」を含めて上位候補に挙がるのが道産子トリオだ。

 東海大札幌のサウスポー・門別啓人の評価は高い。1メートル82の上背から、しなやかな腕の振りで、最速150キロを誇る。武器は右打者への内角直球。制球力もあり、高い奪三振率で「北のドクターK」の異名を取る。プロ志望届提出時に「160キロ以上投げたい」と宣言。将来性豊かだ。

 知内(しりうち)の左腕・坂本拓己の直球は、最速147キロの球速以上の伸びを感じさせる。今夏の南北海道大会準決勝で東海大札幌・門別との投げ合いを制し、チームを初めて決勝に導いた。身長1メートル80。100キロ前後のカーブを操る器用さもある。奥尻町出身でプロになれば、通算165勝の佐藤義則(オリックス)以来だ。

 苫小牧中央の斉藤優汰はパワーあふれるフォームから最速151キロを叩き出す右腕。1メートル89の体格も魅力で、多くの球団が上位候補に挙げる逸材だ。

 阪神は湯浅、浜地、西純ら若手が次々と育つ。今季は12球団で最も防御率が良かった。3投手は甲子園未出場ながら潜在能力の高さは広く伝わる。誰か1人でも入団となれば、ハイレベルな環境でもまれ、聖地を沸かす可能性が大いにある。

 ◇門別 啓人(もんべつ・けいと)2004年(平16)7月10日生まれ、北海道日高町出身の18歳。日高富川小1年で、富川野球スポーツ少年団で野球を始め、小6でファイターズジュニアに選ばれた。日高富川中では軟式野球部。東海大札幌では1年秋からベンチ入り。変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。1メートル82、85キロ。左投げ左打ち。

 ◇坂本 拓己(さかもと・たくみ)2004(平16)7月6日生まれ、奥尻町出身の18歳。奥尻青苗小1年で、青苗スカイバードで野球を始める。奥尻中では軟式野球部。知内では1年秋からベンチ入り。今夏は史上初めてチームを南北海道大会の決勝進出に導いた。家族は両親と兄、姉。1メートル80、82キロ。左投げ左打ち。

 ◇斉藤 優汰(さいとう・ゆうた)2004年(平16)5月27日生まれ、岩見沢市出身の18歳。岩見沢日の出小4の時に岩見沢日の出リトルタイガースで野球を始める。岩見沢明成中では軟式野球部。中2秋で捕手から投手に転向。苫小牧中央では1年秋からベンチ入り。家族は母と弟。1メートル89、91キロ。右投げ左打ち。

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