中畑清氏 同率終戦なら1試合のプレーオフ検討を!

[ 2022年10月4日 05:30 ]

最終戦を終え、レフトスタンドのファンにあいさつに向かうソフトバンクナイン(撮影・沢田 明徳)
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 【キヨシスタイル!】コロナ下で迎えた3度目のシーズン。プロ野球は人数制限なくスタンドを埋めたお客さんに見守られる中、レギュラーシーズン全日程を終えた。OBの一人として、うれしく思う。

 注目のペナントはセ・パ両リーグともにディフェンディングチャンピオンの手に。優勝するのは難しい。連覇はもっと難しいというのにね。ヤクルト、オリックス両球団の関係者、ファンの皆さん、おめでとう。

 ヤクルトが7月2日に史上最速となるマジック53を点灯させてぶっちぎったのに対し、オリックスは真逆。最大借金7、最大11・5ゲームあった首位との差をはねのけ、2年連続で一度もマジックを点灯させないまま大逆転優勝にこぎつけた。

 苦しい戦い。4月、ロッテの佐々木朗希に完全試合をやられてさ。5月には主砲の吉田正らが新型コロナウイルスに感染して離脱。8月末には中嶋監督もコロナで隔離された。それでも土壇場で踏みとどまっての優勝。最後はマジック1としたソフトバンクがラスト2試合、西武とロッテに負けて転がり込んできた形になったけど、しっかりボディーブローを打ち込んでいた。

 3ゲーム差で迎えた9月17日からの直接対決3連戦。先陣を切った山本由伸が6連勝中のソフトバンク打線を散発4安打に封じた。2―0の完封勝利。さすが日本のエースだ。ライバルの連勝と勢いを止め、ここから3連勝。対戦成績を15勝10敗とした。これが最終的にモノをいうんだ。

 ソフトバンクと並んで76勝65敗2分けでフィニッシュ。アグリーメントでは同率の場合、以下の順番で順位を決めるとしている。(1)当該球団の対戦成績、(2)交流戦を除くリーグ内での対戦成績(125試合)、(3)前年度順位――。史上初の同率決着は(1)が適用され、オリックスに軍配が上がったというわけだ。

 ただソフトバンクの立場を思うと切ない。143試合の長丁場を戦って勝敗そのものはトップタイなんだよ。CSを勝ち上がって日本一というチャンスは残ってるけど、リーグ優勝とは違う。今後は1試合のプレーオフで順位を決められないかな。待ったなしの一発勝負。これならみんなスッキリする。ぜひ検討していただきたい。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2022年10月4日のニュース