仙台育英「2回目の初優勝」へ新チーム初戦10点快勝発進 須江監督命名「弟ズ」で甲子園夏春連覇狙う

[ 2022年9月17日 04:00 ]

秋季高校野球宮城大会2回戦   仙台育英10ー0登米総合産 ( 2022年9月16日    仙台市民 )

<仙台育英・登米総合産>新チーム初戦に勝利した仙台育英(撮影・柳内 遼平)
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 今夏の第104回全国高校野球選手権大会で東北勢として春夏通じて初の全国制覇を果たした仙台育英(宮城)が16日、来年の選抜の重要な参考資料となる秋季大会の初戦に臨み、登米総合産に10―0で5回コールド勝利。甲子園も経験した2年生が力を発揮し、須江航監督が目標に掲げる甲子園大会の「2回目の初優勝」に向け好スタートを切った。

 全国に感動を届けた東北勢初の日本一から25日。再び頂点を狙う挑戦が始まった。遊撃の山田脩也主将(2年)ら甲子園を知る6人がスタメン入りし5回コールド勝利。テレビカメラ5台が並んだ注目の試合後、須江監督は選手を称えた。

 「背番号をつけて戦う公式戦は特別。(選手は)自分が持っているものを出し切れた。得意なプレーを披露し続けてくれたので頼もしいなと思いました」

 投打で「甲子園を知る男」がチームをけん引。今夏の甲子園から続いて4番に座る左打者・斎藤陽(ひなた=2年)は初回に先制の3点適時打を放つなど一挙5得点。先発した最速147キロ左腕・仁田陽翔(にた・はると=2年)は4回を1安打無失点で8三振を奪った。最後は甲子園でベンチ入りできなかった左腕・田中優飛(ゆうと=2年)が1回を完全投球。新戦力もアピールした。

 リーダーシップを発揮した佐藤悠斗主将らチームを引っ張る選手が多かった3年生と比べ、新チームについて須江監督は「おっとりした子たち」という。「“なんでかな?”と思って一生懸命考えたら、みんな弟。3人きょうだいの一番下とか。誰かが何かをお膳立てしてくれることを待っている可愛い子供たち」と語り「弟気質の“弟ズ”」と命名。ただ、新チーム始動後はミーティングで積極的に意見を言い合う姿なども見られ指揮官は「わずかな期間だけど学年が一つ上がり自覚が見えてきた」と喜ぶ。

 同校は空手部の飲酒の不祥事で野球部を含む全ての部が11月30日までの間、今回の大会のような所属団体の競技会や行事を除き、学校外での活動を控えることになった。そんな「逆風」を感じさせないプレーを披露したナイン。栄光におごることなく、ゼロから再び頂点を狙うために須江監督が立てた目標は「2回目の初優勝」。その一歩を踏み出した。(柳内 遼平)

【須江監督語録アラカルト】

 ☆日本一からの招待 仙台育英の系列の秀光中軟式野球部監督時代からチームのスローガンに掲げている。「招かれるぐらいの取り組みをしないと、そういう舞台(日本一)にたどり着けない」。18年1月に仙台育英の監督に就任し、5年目で日本一を達成。

 ☆青春って凄く密 今夏の甲子園決勝直後の優勝スピーチで、コロナ禍で学校生活が制限されている全国の高校生に向け涙を浮かべながら「青春って凄く密」と発信。事前に考えていた内容ではなく「その時に思ったこと」を言葉にして全国に感動を届けた。

 ☆2回目の初優勝 今夏の全国制覇から12日後の新チーム始動日に「2回目の初優勝という感じで最終的な目標を立てたい」と独特の表現を用いて2度目の甲子園大会Vを目標とした。

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2022年9月17日のニュース