8回無失点で14勝目のダルビッシュ 8年ぶり完封ならずも「自分の中では想定通り」次戦は中4日

[ 2022年9月14日 16:12 ]

インターリーグ   パドレス2-0マリナーズ ( 2022年9月13日    シアトル )

マリナーズ戦に先発したダルビッシュ(AP)
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 パドレスのダルビッシュ有投手(36)が13日(日本時間14日)、敵地T-モバイル・パークでのマリナーズ戦に今季27度目の先発登板。8回を投げ、2安打無失点で今季14勝目を挙げた。

 記録よりも勝利。し烈なプレーオフ争いの中、エースは自身が担う役割を十分過ぎるほど理解していた。初回2死からスアレスに左前打を許したが、4番のカルロス・サンタナを空振り三振に仕留めると、6回まで打者16人連続アウト。「シアトル、サンフランシスコはあまり得意ではない。だからとにかく1イニング、1回を無事に帰ってくるってところから始まり、それを1イニング1イニング、1人1人やっていった。それだけに集中していました」。アウトを1つずつ丁寧に積み重ねた結果が、好投につながったと振り返った。

 7回、先頭のフランスに中前打を許し、連続アウトは16人でストップ。それでも続くスアレスを空振り三振に仕留め、カルロス・サンタナは二ゴロ併殺。8回までスコアボードに0を並べ続けた。ただ、5回には6番・ラリーに中堅フェンス手前の大飛球(結果は中飛)をくらうと、1点リードの8回にも右翼ポール際にあわや同点本塁打というファウルを浴びるなど(結果は空振り三振)、アウトになったものの「いい打球も多かったですし、それがたまたま野手の正面であったりとか、自分たちにとって都合のいいとこに飛んでいたというだけの話。結果ほど、自分は楽に投げていたという感じではなかったです」と冷静に振り返った。

 8回を投げ終えた時点で94球と、メジャー8年ぶりの完封勝利も狙えるペースだったが9回はヘイダーに後を託した。「自分も(続投は)あるのかなって思ったんですけど、9月っていうこともあって、どうしても勝たなければいけない。5回くらいに球数少ないっていうのは分かってましたけど、たぶん8回終わって球数少なかったとしても9回は投げさせないだろうな、と。次(の先発は)中4日だと思うので、自分の中では想定通りです」とサラリと言いのけ、あくまでもチームの勝利優先という姿勢を崩さなかった。

 それでも終わって見れば自身4連勝で14勝目。メジャー1年目にマークしたシーズン最多16勝も射程圏内に捉えた。今季は勝利への強い意欲が感じられるが「自分も36歳。同級生でも野球をやっていない人の方が多い。その中でこういう環境でやらしてもらっているってことにすごく感謝している部分がある。今までよりプロとしてちゃんと仕事に対して打ち込もうっていうところからきていると思います」ときっぱり。同学年には楽天・涌井、ロッテ・美馬らNPBで活躍する選手もいるが、多くの選手がユニホームを脱ぎ、現役は数えらえるほどにまで減った。それだけに「プロ野球選手」として世界最高峰の舞台でプレーできる環境に感謝の言葉を口にした。

 次戦は中4日で18日(日本時間19日)、ダイヤモンドバックス戦に挑む。20戦連続6イニング以上と、登板間隔が詰まっても先発としての仕事を果たしており「次の試合、次の試合と考えている。たまたまそうなっているのはチームにとっては大きいことだと思うので、嬉しいですけど、あまり自分としては勘違いしないようにはしてます」。慢心することなく勝利を目指し腕を振り続ける。

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2022年9月14日のニュース