メジャー移籍の鈴木誠也が大型契約を勝ち取れた理由 若さ、5ツール、その両方を兼ね備える希少性

[ 2022年3月16日 23:02 ]

カブスと基本合意したことが分かった鈴木誠也
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 ESPNが報じたカブスと鈴木誠との契約額は5年総額8500万ドル(約100億円)。日本野手の渡米時では最高額となった。これまでの最高額は07年オフに中日・福留孝介とカブスが結んだ4年総額4800万ドル(当時のレートで約54億2000万円)。これを大きく上回った形だ。その理由は主に3つ挙げられる。

 まずは(1)若さ。大リーグの契約では1歳の違いでも大きく、若ければ若いほど価値がある。大谷と同じ94年生まれの鈴木誠は現在27歳で、今年が28歳シーズン。福留は1年目が31歳シーズンだった。同じ外野手のパワーヒッターとしてヤンキース入りした松井秀喜(3年総額2100万円=当時約25億4000万円)は、もちろん時代背景の違いによる金額差もあるが、1年目の03年は29歳シーズンだった。

 次に(2)5ツールだ。日本では走攻守に優れた選手を「三拍子」と評価するが、米球界では5項目。ミート力、長打力、走力、守備力、送球力の「5ツール」に秀でた選手を高く評価する。鈴木誠はこれに該当している。

 最後は、(1)+(2)を兼ね備えている希少性だ。このオフ、FA市場の大物外野手にはカステラノス(30=レッズからFA)、シュワバー(29=レッドソックスからFA)、ソレア(30=ブレーブスからFA)らがいる。いずれも鈴木誠に比べて長打力は勝っているが、年齢は上で、スピードは大幅に劣る。この3人は長打力を武器に年俸自体は今後、鈴木誠を上回る可能性は高いものの、鈴木誠は「コスパ」の高さが見込まれたため、幅広い球団が興味を示し、メジャーでの実績がない中で大きな契約を勝ち取った。

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2022年3月16日のニュース