【スポニチスカウト部(1)】東洋大の156キロ右腕・羽田野温生 160キロ狙える排気量、監督も太鼓判

[ 2022年3月16日 06:30 ]

160キロとプロ入りを目標に掲げる東洋大・羽田野
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 逸材を発掘します――。今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第1回は東洋大の最速156キロ右腕・羽田野温生投手(3年)。リーグ戦ではまだ勝利はないが、高い身体能力を誇り、大学在学中の160キロ計測と、制球力向上を目標に掲げる。

 潜在能力は底知れない。羽田野は1メートル88、92キロの堂々たる体格に加え、100メートル走は11秒台。高い身体能力を投球に生かす剛腕は「大学で160キロを出したい。プロ入りは一つの目標」と言い切る。

 昨秋リーグ戦で自身最速の156キロを計測。あと4キロの上積みのために、このオフは柔軟性向上に取り組んできた。ウエートトレーニングの後、自身で考えた10種類のストレッチを約1時間かけて入念に行う。課題となっている制球面を磨くために、投球動作の連動性を意識したトレーニングを行うなどレベルアップに余念がない。

 素材はプロの先輩たちにも引けを取らない。杉本泰彦監督は伸びしろが「めちゃくちゃある。160キロは出ますよ」と期待。OBのソフトバンク・甲斐野、中日・梅津、DeNA・上茶谷の3人を引き合いに「“排気量”で言ったら比べものにならないくらい、彼の方が凄い」と太鼓判を押す。

 身体能力の高さは天性のものだ。野球を始める小3までは水泳もやっていたといい、クロールからバタフライまで「全部できます」という。少年野球時代は主に捕手で投手は兼任だったが、当時から周囲の選手よりも球が速いことを自覚。「投げててあんまり前に飛ばされないなとは思ってました」。汎愛時代も甲子園出場はなかったが、最速147キロをマークするなど注目を集めた。

 春のリーグ戦では抑えを務める予定。理想の選手はソフトバンク・千賀で「打者を圧倒するタイプ。そういった投球を自分も目指したい」と語る。プロ入りとともに見据えるのは、チームの1部復帰。「チームの勝利につながる結果を出しつつ、最終的にプロにつながっていったらいい」と力を込めた。(田中 健人)

 ☆羽田野 温生(はたの・はるき)2000年(平12)4月24日生まれ、大阪府出身の21歳。1メートル88、92キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 四條畷東小3年時に畷スカイヤーズで野球を始める。四條畷南中では寝屋川シニアに所属。捕手や一塁手を務めていたが、中3で投手に専念。理由は「速い球が投げられたから」。当時の最速は136キロ。公立校の汎愛では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエースになる。東洋大では1年秋のリーグ戦でデビュー

 ☆球種 フォーク、スライダー、カーブ、カットボール

 ☆趣味 演劇鑑賞。都内の劇団に所属する5歳上の姉の影響で見始め、好きな女優は半澤楓

 《全勝V&1部復帰へ「圧倒」》東都大学野球リーグの東洋大は昨秋、15年秋以来となる2部でのリーグ戦を経験した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で入れ替え戦がなかったため、2季連続の2部での戦い。1部で20度の優勝を誇る名門は、新チームのスローガンとして「圧倒」を掲げて全勝優勝を目指す。羽田野は、他の選手から推されて副主将も務める。公立校の汎愛(大阪)でも副主将を務めていたが「まさか大学でやるとは思わなかった」という。それでも引き受けたのは「立場が人をつくる」という思いから。「自分が引っ張っていく意識は下級生のころから変わってきている」と語る。

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