プロ野球、現役ドラフト今オフ導入へ 出場機会恵まれない選手の移籍活性化 NPBと選手会が事務折衝

[ 2022年3月16日 05:30 ]

NPB・井原敦事務局長
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 日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が15日、オンラインで行われ、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させる現役ドラフト制度を今オフから導入する方針を確認した。今後、運用ルールを詰めていく。

 NPBの井原敦事務局長は、12球団とのプロ野球実行委員会でも今年の実施を視野に議論しているとし「それ(今オフ)に向けて協議を重ねていく」とコメント。選手会は昨年10月に各球団が指名対象となる選手を5人以上出し合う方式を提案しているが、それを参考にしつつも機構側として案をまとめ上げる段階には至っていないことも明かして「これから今オフ(導入を)目標に急ピッチで進んでいくことになる」と話した。

 終了後に対応した選手会の森忠仁事務局長も「球団側も、いろいろ準備を詰めていくと合意されているようなので」と見通しを語った。その他にも球団との契約における選手の立場改善を訴え、フリーエージェント(FA)権の取得年数の短縮などを求めたといい「(一つの球団が選手と契約交渉する権利を独占する)保留制度を重点的にやっていく。移籍をできる体制を取らないといけない」と説明した。

 ▽現役ドラフト リストアップされた現役選手を、他の球団が指名することで移籍が可能となる制度。出場機会に恵まれない選手が、新たな活躍の場を求めることができるとして選手会が要望し、20年8月からの導入が検討されたが、一部球団の反対や新型コロナウイルスの影響で先送りとなった。メジャーでは「ルール5ドラフト」としてMLB規約第5条に規定。毎年12月に実施し、対象は40人枠外のマイナー選手だが、同制度を経てサイ・ヤング賞やMVPなどに輝いた選手もいる。

 ≪「ノンテンダー」問題 日本ハムと話し合い≫選手会は日本ハムと近日中に「ノンテンダーFA」について話し合う方針だ。昨年オフに日本ハムが「ノンテンダー」と称し、西川、大田、秋吉の3選手を自由契約とした経緯を問題視。その後に西川は楽天、大田はDeNA、秋吉は独立リーグの福井に入団したが、7日に3選手に事前告知やプレー環境などを協議した事実がなかった点などを記した抗議文を送った。これに対して同日中に日本ハムは川村浩二球団社長兼オーナー代行の「誤解や誤認も複数ある」とのコメントを発表した。

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