楽天・マー君 マっすぐ復活!直球「テーマ」に3回無安打零封 巻き返しの復帰2年目実戦初登板

[ 2022年2月23日 05:30 ]

練習試合   楽天6ー2ヤクルト ※特別ルール ( 2022年2月22日    浦添 )

<ヤ・楽>3回を投げて無安打無失点の好投を見せた田中将(撮影・篠原 岳夫)
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 楽天の田中将大投手(33)が22日、ヤクルトとの練習試合(浦添)で今季実戦初登板し、3回無安打無失点に抑え込んだ。最速は145キロを計測し、テーマに掲げていた直球中心の投球に手応え。日本球界復帰1年目だった昨季は4勝止まりだったが、巻き返しに向けて好発進した。

 高い集中力を保ちつつ、ふとマウンド上で笑みをこぼす場面も。田中将の表情が実戦初登板での手応えを物語っていた。3回1死一塁。オスナへ1ボールからの高め直球は、この日最速145キロを計測した。力勝負で遊ゴロ併殺。予定した3イニングを35球、無安打無失点で終え、納得顔でベンチへと引き揚げた。

 「この時期にしてはしっかり投げられた。自分なりにテーマを持って実行することができた。前向きな気持ちになれる登板だった」

 投球の基本となる直球に主眼を置いた。実戦で初バッテリーを組んだドラフト2位・安田(愛知大)にも事前にテーマを伝えていた。初回の13球のうち直球やツーシーム、カットボールといった「ファストボール(速球)系」は12球。その後のカーブやスライダー、スプリットはあくまでも確認程度で「真っすぐ系、ツーシーム、カットボールの打者の凡打の仕方は良かった」。全35球中、27球が速球系と8割近かった。

 8年ぶりに日本球界に復帰し、4勝9敗、防御率3・01という成績だった昨季は、変化球中心の組み立てを迫られた。スライダー(29・2%)とスプリット(19・2%)の2球種の割合が全投球の約半数を占め、直球は27・7%止まり。球界屈指の切れを誇る変化球をさらに生かすため、キャンプからその直球を磨いてきた。「練習では練習の出力しか出ない。打者が立つことで景色やいろんな部分が変わる。力みもあったけど、決して悪いことではない」。試合でしか得られない課題も、また収穫だった。

 小山投手コーチが「昨年、対応に一番苦労したのがマウンドの軟らかさ。今年は気にすることなくやれている」と証言するように、キャンプ地のブルペンと球場のマウンドの硬さや形状が、楽天生命パークと同じ仕様に1月に改修された。「手厚いサポートを受けながら調整できていることに感謝している」と田中将。復帰2年目、完全復活へのイメージは順調に膨らんできている。(重光 晋太郎)

 ≪昨季は半分以上が変化球≫田中将のヤンキース1年目・14年の球種割合は、直球22.6%、ツーシーム23.4%、カットボールが2.1%で速球系が48.1%とほぼ半分を占めていた。スプリットが24.4%でスライダーは22%だった。その後はスライダーの使用率が上昇していき、メジャー終盤は30%超え。楽天に復帰した昨年はスライダー29.2%、フォークとチェンジアップ系が足して計23%と、主要変化球で全体の半分以上を占めた。

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2022年2月23日のニュース