【阪神・糸井-広澤氏対談(上)】41歳覚悟のシーズン 代打でも戦力になって引退前に虎で優勝したい

[ 2022年2月23日 07:00 ]

広澤氏(左)の前でバットを手にポーズを決める糸井(撮影・後藤 大輝) 
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 阪神・糸井嘉男外野手(40)が本紙評論家・広澤克実氏(59)との対談で「現役を辞める前にタイガースで優勝」の思いを打ち明けた。外野のレギュラー返り咲きを期し、精力的に過ごす19年目の春。たとえ代打になったとしてもヤクルト・川端のような貢献を思い描き、熱のこもった打撃論も交わした。(取材構成・石崎 祥平) 

 広澤 キャンプ序盤からフルメニューを消化している。

 糸井 本来なら当たり前なんですけど、今はそういう立場ではない。自分の限界を超えるじゃないですけど、キャンプに入った時からフルでやろうかな…とオフから決めていました。

 広澤 体はきつくない?

 糸井 最初のクールから第2クールまでは、めちゃくちゃきつかったです。

 広澤 今年で何歳になるの?

 糸井 (7月で)41歳です。

 広澤 俺が現役を辞めたのも41歳だけど、スゴく若いね。

 糸井 いえいえ。

 広澤 この年になると、誰も何も言ってくれないよね?

 糸井 年下の選手が10個離れているので。めちゃくちゃ離れるので、精神年齢を下げるしかないです…。年下の選手に気を使わせないように、ちょっと、いじられたりもしてますよ。

 広澤 今年はあくまでスタメンで4打席を目指している?それとも、代打?

 糸井 それはもう…。どっちかは監督が決めることなので。僕はどっちでも、戦力になりたいと思っています。

 広澤 去年の後半から打撃が良くなったように見えた(※1)。

 糸井 代打の難しさというか、その1打席の瞬間に…ていうのが本当に難しく感じました。

 広澤 難しく感じたけど、好成績につながっている。

 糸井 最初の頃よりは、代打で何となく打てたというのはありますけど…。ヤクルトの川端(※2)じゃないですけど、代打って重要じゃないですか?1点を争う重要な場面で出てくるので、そこで打ちたいなと思います。

 広澤 昨年末に優勝してビールかけをして引退したいと宣言していた。

 糸井 それは、もう、もちろん。(矢野)監督には野球のこと、それ以外のことも、心に残るようなことを教わったと感じている。監督を高々と胴上げしたいなというのもありますし、僕自身も現役を辞める前にタイガースで優勝というのを味わいたいです。

 広澤 俺は03年、優勝して辞めた。優勝して辞めるのはかっこいいよ。

 糸井 03年の日本シリーズ、福岡ドームで打った本塁打(※3)は何歳ですか? 

 広澤 あれはね、41歳。

 糸井 スゴくすごく印象に残っています。

 広澤 あれは日本シリーズ最年長ホームラン記録。どうぞ、破ってください!42歳でも、43歳でも。だけど、優勝して、いい成績残したら、絶対辞めちゃダメ。

 糸井 (現役最年長の)福留さんが44歳じゃないですか?

 広澤 今年45歳なの?それなら、福留より先に辞めたら絶対ダメだよ。それをモチベーションでやって。スタメンの4打席でも、代打でも、本当に応援してますんで。

 (※1)昨季は代打でチーム最多の62回起用され、55打数11安打の打率・200。球宴前は29打数4安打、打率・138、球宴後は26打数7安打、打率・269。
 (※2)昨季は代打で82打数30安打、打率・366。代打でシーズン30安打は、07年に真中満(ヤ)が樹立したプロ野球記録の31安打に次ぐ2位。
 (※3)第7戦の9回2死から代打で起用され、和田から左越えへソロ。チームは2―6で敗れ、日本一を逃した。

 ※対談(下)に続く。

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2022年2月23日のニュース