清原和博氏 中日・石川昂に金言「チャンスでは初球からしっかり振れる準備を」 立浪監督からの要望応えた

[ 2022年2月23日 05:30 ]

<中日北谷キャンプ>石川昂(左)と話す清原氏(右は立浪監督、右手前は福留)(撮影・成瀬 徹)
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 西武、巨人、オリックスで通算525本塁打など活躍した清原和博氏(54)が22日、中日の沖縄・北谷キャンプを訪れた。PL学園の2年後輩の立浪和義監督(52)を激励。16年2月に覚醒剤取締法で逮捕されて以来、初めてのキャンプ地訪問で、同じ右の大砲候補の石川昂弥内野手(20)に打撃指導した。

 上下黒のスーツに、気を使ったのだろうかドラゴンズブルーのネクタイ。北谷の三塁ベンチから清原氏は2時間以上もじっと中日の打撃練習を見つめた。立浪監督からは選手個々の特徴や今の課題について説明された。打撃論は続き、2人の身ぶり手ぶりも激しくなっていった。

 注目していたという右の大砲候補、高卒3年目の石川昂が呼ばれた。コロナ下のルールでOBや評論家はグラウンドに入れずベンチまで。できる限りの言葉で“指導”した。

 「面構えもいいし、打球の角度もいい。打席へのアプローチの大切さなどを言わせてもらいました。チャンスでは初球からしっかり振れる準備をしろ…とかです」

 22年間で通算525本塁打。立浪監督が自身とイメージをダブらせていると聞き、「400本、500本と打てる可能性も、日本代表に入る可能性もあるくらい魅力を感じます」とうれしそうに笑った。感激の約3分間だった石川昂も「タイミングを取るのが遅いと言われました」と目を輝かせ、さっそく最後まで球場に残ってティー打撃を繰り返した。

 今回の訪問は立浪監督に「キャンプに行っていいか」と申し入れ実現した。20年6月に執行猶予が解け、昨年7月10日には甲子園球場で阪神―巨人戦を解説。キャンプ地視察は14年春以来だった。

 福留や大島ら、ほとんどの選手があいさつにやってきた。ビシエドとはバットを持って話し込んだ。YouTubeの自身のチャンネルでは後遺症の苦しさを吐露しているが、打球音や土を蹴るスパイクの音が、少しの時間すべてを忘れさせてくれた。

 「監督就任を受けたとか律義に報告をもらっていた。自分が一番苦しい時も、名古屋に来た時に食事をしたり、よく連絡をくれていた。立浪監督の本当の厳しい部分は、選手はまだまだこれから感じると思うが、チームはいい雰囲気でした。やっぱりユニホームが似合いますね」

 PL学園の3年生と1年生の時に戻ったかのような時間。清原氏の方こそグラウンドがよく似合っていた。(畑野 理之)

 ◇石川 昂弥(いしかわ・たかや)2001年(平13)6月22日生まれ、愛知県出身の20歳。有脇小6年時に中日Jr.。亀崎中3年時には「NOMOジャパン」入り。東邦では1年春からベンチ入りし、エース兼主砲で出場した3年春の選抜で優勝。同年夏のU18W杯では全試合で4番を務めた。高校通算55本塁打、投手でも最速144キロ。19年ドラフト1位で中日入団。1メートル86、104キロ。右投げ右打ち。

 ▽清原氏と立浪監督 PL学園1年時に「KKコンビ」と称された清原と桑田真澄(現巨人投手チーフコーチ)は83年夏の甲子園で優勝。5季連続で甲子園に出場し、立浪や片岡篤史(現中日2軍監督)が入学した85年夏にも全国制覇を果たしている。立浪は主将を務めた3年時の87年に、KKコンビもなし得なかった甲子園春夏連覇を達成した。

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