DeNA番長が大貫にカット指南 「俺の手はでかいで」は伝えたか?

[ 2022年2月23日 17:57 ]

<練習試合 DeNA・楽天 雨天中止> ブルペンで大貫に変化球の握りのアドバイスをする三浦監督(左)
Photo By 代表撮影

 11年前の2011年沖縄・宜野湾キャンプ。1度目の球団担当だった記者は、三浦大輔投手(現監督)の当時の言葉を今も覚えている。「俺の武器、スローカーブと思ってるやろ?違うで。カットやで」。武器をスローカーブと思い込み、それを聞こうとした記者はたじろいだ。

 だが察した三浦はニヤリ。「俺の手はでかいで。特徴と言えば特徴。ずっとこの手でやってきた。この手で変化球にこだわってきたから。特にカットはね」と続けた。

 すぐに右手を比べ合った。でかい。さらに三浦がカットの感覚を「最後のひと押しで中指を滑らす」と説明したので、右手中指を付け根から指先まで計らせてもらった。10・5センチ。すぐさま、近くにいた同年開幕投手の左腕・山本省吾の左手中指を計らせてもらうと、8・5センチだった。

 その差2センチ。山本の指の長さはプロ野球投手の中でも平均的だ。つまり平均より2センチも長い指で、より多い回転数のスピンを白球にかけ、「番長流カットボール」を生み出していた。それが通算172勝の礎でもあった。

 この日、沖縄・宜野湾のブルペンで、開幕投手候補の大貫晋一投手が投球中に突然、見守っていた三浦監督に「現役時代、凄いカットを投げていたので」と公開授業を請うた。指揮官は「投げるときの意識、握り方、感覚を伝えた」と右腕の姿勢に応え目を細めた。

 現在はコロナ下の取材で制限があり、授業の詳細を取材することはできない。でもその授業で大貫は間違いなく一歩前進した。言うなれば、先生役の選び方が抜群だった。

 だがそのとき監督は「俺の手はでかいで」を補足したのだろうか?興味深い。またの機会にぜひ聞いてみたい。(大木 穂高)
 

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2022年2月23日のニュース