虎の“三塁戦争”ひと足早く本格ゴング!!大山VS佐藤輝、内野ノックで火花散らす

[ 2022年1月31日 05:30 ]

<阪神沖縄自主トレ> 同じウェアを着て三塁でノックを受ける佐藤輝(右)と大山(撮影・大森 寛明)
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 阪神の沖縄合同自主トレが30日、キャンプ地の宜野座村野球場で行われ、大山悠輔内野手(27)と佐藤輝明内野手(22)が内野ノックで三塁に並び立った。あくまでチーム構想は「三塁・大山」「右翼・佐藤輝」が基本線ながら、まだ正式決定はしておらず激戦必至の様相。2月1日のキャンプインを前に、一足早く「三塁戦争」の火ぶたが切って落とされた。

 悪天候で室内での練習に終始した初日から一夜明け、午前中には晴れ間ものぞいた宜野座球場。そのグラウンド上のホットコーナーで、戦いのゴングが打ち鳴らされた。

 投内連係で一塁を守っていた大山が、内野ノックに備えて三塁へと歩を進めた。その視線の先にはすでに、佐藤輝がいた。図らずも同じミズノ社製の青色のシャツを着用した大砲コンビが同じポジションに並び立ち、ともにレギュラー奪取を目指して汗を流した。

 「いろいろ、しっかり頑張ります」

 短い言葉に思いを凝縮させたのは大山だ。起用の選択肢を増やすべく昨秋から外野練習に着手しており、沖縄には内野手用、外野手用、ファーストミットの「三種のグラブ」を持参。レギュラー死守を最優先する決意を固めているとはいえ、やすやすと「本職」の座を明け渡すつもりもない。「自主トレでやってきたことが、よかったか悪かったか、出てくる。やってきたことが正解だったと思えるようなキャンプにしたい」とオフの成果を全て発揮するつもりだ。

 一方の佐藤輝は「自分は自分のやることをしっかりやりたいと思います」と、わが道を歩む決意だ。オフには一流選手の打球速度に対応すべく、内野手用のグラブを外野手用クラスの大きさに改良するなど戦闘準備も整えてきた。プロ入り前から希望する三塁への意欲は常に胸の内に秘めている。「(大山を)ライバルみたいに意識することは特にないですね。それ(技術面で参考にすること)はあります。真面目に取り組む姿勢は、常に見習っています」。尊敬の念すら抱く背番号3の胸を借りるつもりで、全力でぶつかる。

 矢野監督が打ち出しているチーム構想はあくまで「三塁・大山」「右翼・佐藤輝」が基本線。とはいえ決定ではない。現状のレギュラー確定は中堅を守る近本のみで、三塁も競争。激戦必至だ。

 「しっかりシーズンを戦える1カ月にしたいですし時間を無駄にしないように。自分が何ができるかを常に考えてやっていきたい」と大山。佐藤輝も「しっかりあさって(1日)から練習に取り組みたい」と言葉に力を込めた。ともに猛虎を背負う両大砲が、熱く火花を散らす。(阪井 日向)

 【阪神・大山&佐藤輝の競争】
 ▽21年11月15日 大山が秋季練習のシートノックで一塁と左翼を守る。矢野監督は新たなオプションとして、春季キャンプでも外野に挑戦させる方針を明言。
 ▽22年1月 矢野監督がスポニチ本紙の正月インタビューで佐藤輝の三塁挑戦について言及。「文句を言わせないぐらい打つ、そして守備でもこちらを認めさせるものが必要」
 ▽1月7日 佐藤輝が母校・近大での自主トレ公開。「サードを守りたい気持ちはずっとある。(ただ)どこを守るかは僕が決めることではない」
 ▽1月15日 大山が沖縄県内での合同自主トレを公開。ポジションにこだわらずレギュラーを確保するため、内野手用、外野手用、ファーストミットの3種類のグラブを持参。
 ▽1月18日 矢野監督が読売テレビの情報番組に生出演。今季の4番候補に大山と佐藤輝を挙げ「悠輔が1年間不動というのが安定的。(4番に)テルが入る状態になればすごく面白い」

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2022年1月31日のニュース