日本ハム・新庄ビッグボス 全身グラブのド派手コートで沖縄入り「道具を大事に」「チームを一つの作品に」

[ 2022年1月31日 05:30 ]

那覇空港に到着した新庄監督(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムのビッグボスこと新庄剛志監督(50)が30日、2月1日のキャンプインに備えて沖縄入りした。17年の現役生活を1つのグラブで過ごした指揮官は、不要となった40個のグラブをつなぎ合わせてできたド派手な赤が基調のコート姿で登場。選手に道具を大事に扱うことを求めるとともに、キャンプではそのコートのように、チームを一つの作品としてつくり上げていく考えを示した。

 新庄監督を乗せた航空機が那覇空港に降りたのは午後4時12分。しかし、当人が到着ロビーに姿を現したのは33分後だった。普段着からの「お色直し」だ。報道陣約70人、空港客約50人が待ち構える中、戦国時代の「傾奇者(かぶきもの)」を思わせる赤と金の色合いのド派手なロングコート姿。白球も手に笑みを振りまいた。

 「捨てるグラブをしっかり掃除して縫ってもらって、一つのものができ上がった。捨てられそうなグラブでも一つの作品ができる。ファイターズという作品を、このキャンプで一つのものにつくり上げていきたい」

 コートにちりばめられたのは、使い古して廃棄予定だったグラブ40個。小学生から高校生までの個人、亜大野球部など幅広い協力を得て集められ、コシノヒロコ氏に師事した経歴を持つファッションブランド「テンボ」のデザイナー・鶴田能史(たかふみ)氏が制作した。今月6日の映画「スパイダーマン」最新作の前夜祭イベントに登場した際にも特注スーツを手がけており、今回は約1カ月かけて完成。依頼した新庄監督は「靴も全部グラブ。凄くない?」と、はにかんだ。

 デザインで目を引いただけではない。キャンプ地入りという注目を集める機会に、選手にも道具を宝物のように扱ってほしいとの思いを伝えた。現役時代に一つの試合用グラブを補修しながら使い続け「グラブは体の一部。命の次に大事なものだった」と表現。「エラーをグラブのせいにする選手が大っ嫌い。捕れなかったら俺の実力不足だって思うくらいのグラブをつくり上げてほしい。道具を大事にしてもらうチームにしたい」と訴えた。

 キャンプでは名護と国頭の1、2軍キャンプ地を1日ずつ、交互に視察を繰り返す予定。このコートのように、個性あふれる選手を一つの立派な作品に仕上げるためだ。自らの練習や調整の場だった現役時代のキャンプと比べ「監督として迎える方が楽しい。スリリング」と、未知なる挑戦に心を躍らせた。

 「イメージとしては一年間のトライアウトのスタート。楽しみにしていて。一人一人、来年に向けて“こいつはいける”というものを僕はつくり上げていける自信がある。その一年間にしていく」

 ビッグボスらしく、その決意を装いに込めてスタートを切る。(東尾 洋樹)

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2022年1月31日のニュース