オリックス・由伸 MVP含む9冠締め 尽きない向上心「来季は今季よりいい成績を残せるように」

[ 2021年12月16日 05:30 ]

NPB AWARDS 2021 ( 2021年12月15日 )

パ・リーグのMVPを受賞したオリックス・山本(右は斉藤コミッショナー)
Photo By 代表撮影

 今季のプロ野球のタイトル獲得者らを表彰するNPBアワーズが15日に都内で開かれ、パ・リーグの最優秀選手(MVP)はオリックスの山本由伸投手(23)が初受賞した。また、パ・リーグの最優秀新人(新人王)にはオリックスの宮城大弥投手(20)が選ばれた。

 MVPのトロフィーを手にしたオリックス・山本は喜びをかみしめた。先発投手の主要タイトル4部門を独占し、最高栄誉の沢村賞、ゴールデングラブ賞、ベストナインも初受賞。バッテリー賞も含め、イチローに並ぶ球団史上最多の“9冠”締めとなった。

 「パ・リーグMVPを受賞することができて、本当にうれしく思います。夏に五輪があって期間としては長かったですが、充実した、あっという間に感じたシーズンでした」

 記録的イヤーを駆け抜けた。150キロ超の直球に高速フォーク、大きく曲がるカーブでリーグの強打者をねじ伏せ、5月28日ヤクルト戦から球団新記録の15連勝フィニッシュ。25年ぶりリーグ優勝の立役者となり、東京五輪では侍ジャパンのエースとして金メダル獲得に貢献した。「全て一番になりたい気持ちでやってきた」。強烈なインパクトを残し、入団5年目で「プロ野球の顔」となった。

 無双状態で終えても、向上心は尽きない。「来季は、今季よりいい成績を残せるように。(良化したい数字は)全部。今回MVPも受賞できましたし、来年も獲れるように頑張りたい」と満足感などない。来季はリーグ連覇から悲願の日本一を目指すシーズンとなる。2年連続でのMVP受賞となれば、パ・リーグではイチロー(94~96年)以来、投手に限れば前身の阪急時代のエース山田久志(75~77年)以来となる。

 今季は初めて開幕投手を託されたが7回4失点(自責1)で黒星発進。ヤクルトと激闘を繰り広げた日本シリーズ第6戦では9回1失点、141球の熱投もチームの勝利には結び付かなかった。「来年はリーグ連覇。今年は日本一になれなかったので、日本一になれるように頑張りたい」。絶対エースとしての責任と自覚が口に出させた決意――。新時代の剛腕が、頂点をたぐり寄せるべく、その右腕に磨きをかける。(湯澤 涼)

 《26年ぶりMVP、新人王選出》オリックスから山本がMVP、宮城が新人王に選出。同一チームからの選出は16年の日本ハム(MVP=大谷、新人王=高梨)以来5年ぶり37度目(パ20、セ17)で、オリックスでは95年(MVP=イチロー、新人王=平井)以来26年ぶり5度目になる。投手同士の選出は、二刀流で大谷がMVPに選ばれた前出16年の日本ハム以来9度目(80年日本ハム・木田と90年近鉄・野茂のダブル選出を含む)。オリックスでは前身阪急時代の77年(MVP=山田、新人王=佐藤義)以来44年ぶり2度目。

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2021年12月16日のニュース