甲子園切符をつかんだ「谷の14球」 三重の2年生右腕が9回無死満塁のピンチをしのぐ

[ 2021年7月26日 17:21 ]

全国高校野球選手権三重大会決勝   三重6ー5津田学園 ( 2021年7月26日    四日市市営霞ケ浦 )

1点差の9回、ピンチをしのいで勝利し抱擁する三重高の谷、服部バッテリー
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 「江夏の21球」ならぬ「谷の14球」で絶体絶命のピンチを救った。

 6―4の9回、三重は2番手・辻が2本の二塁打で1点を返され降板。無死二、三塁と一打逆転のピンチを託されたのは谷公希(2年生)だった。

 先頭・岡本にストレートの四球を与え無死満塁。外野フライでも同点と状況は悪化。それでもマスクをかぶる服部や後ろで守る3年生から「自分のピッチングをするだけ」「落ち着いて」「低めに」と声をかけてもらい、一息ついた。

 「無理と思わず、立ち向かおうと思った。3年生と甲子園に行きたかった」

 気を取り直し、次打者を外角低めの変化球で狙い通りの三ゴロでホームゲッツー。2死二、三塁にすると、最後の打者を二ゴロに仕留め、マウンドで雄叫びをあげ駆け寄ってきた服部と抱き合って喜んだ。

 今大会が始まる前、帽子のツバに書いたのは「強気」の2文字。中学時代から「自分のピッチングを強気でいけたら」とモットーにし、グラブにも刺しゅうを入れている。決勝という大一番の大ピンチでも「強気」の投球を見せた。

 沖田展男監督も「(同点になると想定し)裏の攻撃のことを考えていた。谷がよく抑えてくれた」と賛辞を贈った。

 広島の抑え・江夏豊が1979年の日本シリーズ第7戦で1点リードの9回無死満塁のピンチを封じ、日本一を決めたことで「江夏の21球」として知られているが、大投手を彷彿させる「谷の14球」で江夏同様、1点リードの9回無死満塁のピンチをしのぎ、三重の頂点に立った。

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2021年7月26日のニュース