“これぞ先発スタイル”阪神・藤浪　初回3失点から修正　2回以降は無安打、外野への飛球もなし

オープン戦   阪神3ー3西武（7回表降雨コールド） （ 2021年3月12日    甲子園 ）

＜オープン戦　神・西＞　5回2死、鈴木の一ゴロでベースカバーに走る藤浪（撮影・大森　寛明）
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　一味違う一年を予感させるパフォーマンスだった。開幕投手に決まって初の実戦登板となった阪神・藤浪は、5回3安打3失点。序盤に西武打線につかまったものの、しっかりと立て直し、試合をつくった。

　「初回は自分の思ってる球と違う感じでしたけど、それ以降修正して投げられたんじゃないかなと思います。（悪天候の中）5回消化できたっていうのは良かったと思います」

　初回1死一塁で3年ぶりの対戦となった森に152キロの直球を左翼へはじき返され適時二塁打を許した。「さすが森やなと思いましたし、良いバッターだなと」。大阪桐蔭の後輩に浴びた一打を含め、3安打を集中されたいきなりの3失点。立ち上がりから雲行きは怪しくなったが、大崩れしない粘りがあった。

　2回以降は最速157キロの直球に加えてカットボールでカウントを取り安定。無安打どころか、外野への飛球はゼロと圧倒しスキを与えなかった。変化球を低めに集め、ゴロ凡打を量産する持ち味を発揮。「良い力感で投げられた。2回以降、リラックスして投げられた」と振り返る言葉も力強かった。

　17年から先発では15試合にわたって白星がない聖地のマウンド。「（観客制限で）自分の知ってる甲子園とは違う」と景色に違和感はあっても、追加点を与えなかった。力投に、矢野監督からは「今までがそうやった（甲子園で勝てていない）から勝てないということは何もない。自分のことを上げていけば抑えられる確率は上がっていく」と壁を破る姿に期待された。

　次回19日のオリックス戦（京セラ）が開幕前最後のマウンドになる。「自分の中で納得できる投球をできればと思います。これなら開幕うまく投げられるなとか、良い感じで投げられるなって思って終われるようにしたいなと思います」。甲子園でつかんだ手応えを勢いに変え、さらに上昇する。（遠藤　礼）

　▼西武・森（初回1死一塁で大阪桐蔭の先輩である藤浪から左越えに先制二塁打）初球は直球が来ると思ったので思い切り振りにいきました。

　▼阪神・福原投手コーチ（藤浪の投球について）　ちょっと力み過ぎかなというのはあったと思いますけど。2回以降は修正できたというか。（チェンは1回零封）次の登板が空くので、ちょうど甲子園のマウンドというのも（準備の一環）。