槙原寛己氏、ロッテ・朗希の最速153キロに見た成長 球速より球質求めたボールの回転を称賛

[ 2021年3月13日 05:30 ]

オープン戦   ロッテ3―2中日 ( 2021年3月12日    ZOZOマリン )

<ロ・中1>6回の1イニングを投げ終え田村とグラブタッチする佐々木朗(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 入団2年目にしてついにベールを脱いだロッテ・佐々木朗の実戦デビューを、スポニチ本紙評論家の槙原寛己氏(57)が映像でチェック。4番・ビシエドから奪ったファウルに成長の跡と大きな価値を見いだした。新たな一歩となった「朗希の12球」。昨年もテレビ番組で本人にインタビューするなどプロでの進歩を見届けてきた槙原氏も「順調」と太鼓判を押した。

 直球は最速153キロ。それでもボールの「質」は格段に向上した。打者は球速より確実に速く感じるであろうボールの回転。プロらしい高い質が垣間見えたのは4番・ビシエドへのファウルの時だ。

 1ボールからの2球目。明らかに直球を狙ってきているところで、高めの直球でファウルを奪った。これが大きい。指にかかった回転のいいボールが投げられれば、仮に真ん中に投げたとしてもファウルになる。このボールがあるだけで投球の組み立てが本当に楽になるし、本人も自信になったと思う。

 無理にコースを狙おうとすると、逆にカウントを悪くしてしまうケースがままある。そのカウントをファウルで稼げればより大胆に攻められるし、球数も減る。佐々木朗はビシエドへの4球目も直球でファウル。5球目には首を振って直球を選択し、最後は152キロで見逃し三振だった。非常に角度のあるボール。1軍の4番打者を相手に明らかにギアを上げていた。

 最速153キロが物足りなく感じるのは、彼の持つ高いポテンシャルゆえ。しかしシュート回転するボールもほとんどなく、現段階では非常に順調だ。故障防止もあって昨年は実戦登板はなし。首脳陣も、本人もよく我慢したと思う。私も高卒で巨人に入団し、1年目の82年は1軍登板はなかった。2軍でローテーションに入りながら下半身を徹底的に鍛え、2年目にデビュー。12勝を挙げたが、体の不安は感じなかった。

 もちろん、まだまだ出力全開ではない。これから投球数を増やし、イニングを伸ばし…。この日も変化球は1球だったが、まずは直球で押す投球を続け、磨いていってほしい。

続きを表示

この記事のフォト

2021年3月13日のニュース