担当記者が見たロッテ・朗希 160キロ超封印し今は制球重視 球速との両立は数年後でいい

[ 2021年3月13日 05:30 ]

オープン戦   ロッテ3―2中日 ( 2021年3月12日    ZOZOマリン )

<オープン戦 ロ・中>6回、マウンドに上がった佐々木朗
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 【ダル、大谷…数々の“怪物”担当した横市勇記者が見た1年3カ月】

 一昨年の暮れ。佐々木朗が入団するロッテを担当することが決まり、日本ハムの木田2軍総合兼投手コーチに報告した。その際に冗談交じりに言われた言葉は「ダルビッシュ、大谷、佐々木を担当したら本を書けるよ」。たわいもない会話だが、言葉の裏には昨季サイ・ヤング賞候補に挙がったパドレスのダルビッシュ、メジャーを驚かせた二刀流のエンゼルス・大谷と並ぶ才能があるという意味が隠されている。

 昨年の新人合同自主トレから163キロ右腕の動きを見てきた。自信を持って言えるのは「速い球を投げる」ことに関しては日本ハム時代に担当記者として見てきたダルビッシュ、大谷よりも優れているということだ。昨年5月26日のシート打撃。菅野に157キロをスタンドに放り込まれると、次打者の福田光の初球に160キロを計測した。練習とはいえ被弾が悔しかったのだろう。力を入れれば、すぐに160キロが出る。驚くほど簡単に、だ。

 この日の最速は153キロだが、7、8割の力で投げていた。球速だけを狙えば、簡単に160キロ台も出ただろう。まだまだ19歳で、身体的にも成長途上。現時点で佐々木朗にとって球速は邪魔なのかもしれない。

 試合後の吉井投手コーチの「投手は打者を抑えるのが仕事。スピードガンをゴミ箱に捨てたいぐらい」という言葉には、故障することなくステップを踏ませていきたいという「親心」もにじむ。球速と制球の両立。記者も、それは数年後でいいと思う。

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2021年3月13日のニュース