ソフトバンク・千賀 圧巻の159キロで2回無失点「今後やっていく道は見えた」教育Lで実戦復帰 

[ 2021年3月13日 05:30 ]

教育リーグ   ソフトバンク3―3中日 ( 2021年3月12日    タマスタ筑後 )

<教育リーグ ソ・中>先発し2回無失点の千賀(撮影・岡田 丈靖)
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 両ふくらはぎのコンディション不良によりリハビリ組で調整を続けていたソフトバンクの千賀滉大投手(28)が12日、筑後のファーム施設で行われた春季教育リーグ中日戦で実戦復帰した。先発し2回1安打無失点。最速は159キロをマークした。今後も球数を増やしながらファームで調整登板を行い、開幕から4カード目の日本ハム3連戦(4月6日~)での1軍復帰が有力となった。

 有観客のスタンドがどよめいた。雨中の今季実戦初登板で、先発・千賀が初回、2番石岡へ投じた3球目。電光掲示板が159キロを表示した。自己最速161キロにあと2キロに迫った直球に、自身も確かな手応えを感じた。

 「思ったより出た。最近の疲れ具合からそんなに出ないと思っていた。それなりに出て、出力もよかった。ぼちぼちかな。今後やっていく道は見えた。まだまだ出る」

 2回1安打無失点。32球を投げて3三振を奪うなど上々のスタート。「思ったより投げられた。課題も分かったので、フォームの見直しや、打者が立った時にどうかというところは思ったよりできたところ、できなかったところと半々」。1軍の舞台をイメージして投球内容を分析した。

 新球を試す余裕もあった。初回、石岡にカウント3―2からシンカー系の変化球を投じた。結果は四球となったが、続く山下の2球目にも試し、空振りを奪った。「内緒です。まだ話せる球じゃない。試している最中なので、使えるようになれば」と詳細は明かさなかった。持ち球の変化球は代名詞の「お化けフォーク」、スライダー、カットボールなど右打者から外に逃げる軌道が主体。新たに右打者には食い込み、左打者にとっては外に逃げる軌道を習得となれば鬼に金棒だ。新たな武器も磨きあげる。

 関東遠征中の工藤監督はこの日「(開幕ローテーションから)消しています。上がってきて制限があると、リリーフ陣に負担がかかる。制限がない状態で上がってもらうのが基本的な考えです」と開幕ローテーション入りを見送る判断をしたが、順調な回復過程にあるのは間違いない。

 次回の登板は中4日空けた17日。50~60球をめどに教育リーグのオリックス戦を予定している。その後は70球、100球と球数を増やし、順調に段階を踏めば4月6日からの日本ハム3連戦で1軍合流となりそうだ。

 両ふくらはぎのコンディション不良でリハビリ組だったが、不安は感じられない。足りないのは実戦感覚と球数だけ。ランニング量も問題ない。「状態を早くつくるだけ。早く、1軍の力になれるようにいい準備をしたい」。進化したエースが万全で帰ってくる日は近づいている。

 ▼ソフトバンク・倉野2軍ファーム投手統括コーチ (千賀について)予想以上によかった。直球に関しては問題ない。変化球は投げてまだまだ上げていかないといけない。コンディション的には問題ない。

 ▼ソフトバンク・牧原巧 (千賀とバッテリー)凄い緊張しました。球が速くて、びっくりしました。ついていくのが精いっぱいでした。

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2021年3月13日のニュース