東尾修氏が分析 楽天・田中は13年と同等の力 柳田、吉田正、山川ら強打者への対処法にも注目

[ 2021年1月28日 20:00 ]

東尾修氏
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 現役時代に通算251勝を挙げた東尾修氏(70)が28日、楽天に復帰が決まった田中将大投手(32)について、活躍に太鼓判を押した。

 田中の楽天復帰は、日本球界への明るいニュースだ。楽天には涌井、則本昂、岸といったエース級の投手がいる。昨年は則本昂や岸が故障もあってパッとしなかったが、田中の加入は大いに刺激になる。そして、ドラフト1位の早川隆久も、目の前に世界のトップの投手がいることで、目標点はおのずと上がる。

 メジャー移籍した日本投手は、メジャーの硬く、傾斜のきついマウンドの中で、どうしても下半身をしっかり使う投球よりも、傾斜を利して上半身の勢いで投げる形になりがちだ。だからこそ、日本球界に戻ってきたときに日本の粘着質で柔らかく感じるマウンドに戸惑う。だが、田中は違う。天性ともいえる股関節の使い方で、体重移動に無駄がない。踏み出す左足の膝、足首も柔らかくクッションのように使える。広島に復帰した黒田博樹も下半身を柔らかく使えていたのと一緒で、どんなマウンドにも対応できる。黒田が年齢を重ねてから戻ってきたのとは違い、田中は昨年11月に32歳になったばかり。24勝0敗を記録した2013年のころとそん色ない投球はできる。

 私が注目したいのは、田中がどうやってソフトバンクの柳田、オリックスの吉田正、西武の山川ら日本のパワーヒッターに対処するかだ。アッパースイングの多い大リーグにおいて、田中は両サイドとスプリットだけでなく、高めの直球を非常に有効に使っていた。近年、打高投低と言われる日本プロ野球界。田中の投球術は、投手のレベルアップに新しい可能性を示してくれるのではないか。そんな期待を抱かせる。(スポーツニッポン評論家)

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2021年1月28日のニュース