田中が楽天復帰 「自分を育ててもらった地」 ヤンキース移籍後も抱き続けた仙台への思い

[ 2021年1月28日 17:23 ]

昨年1月に仙台市立東宮城野小を訪問し、児童と給食を食べる田中将大投手
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 楽天は28日、ヤンキースからFAになっていた田中将大投手(32)と基本合意したと発表した。07年から13年まで7年間プレーした古巣に8年ぶりに復帰が決まった。背番号は「18」。

 田中はヤンキースへ移籍後も、常にプロ野球選手として自分を育ててくれた楽天と仙台の街への思いを胸に戦ってきた。毎年オフになると、元本拠地に隣接する球団事務所を訪れ、シーズンの報告を欠かさなかった。自主トレの公開場所としても、古巣の室内練習場を選択し続けた。海の向こうでもネットを通じて楽天の成績は欠かさずチェックし、一喜一憂していた。

 「自分を育ててもらった地。時間の許す限りこういう活動をしていけたら」と17年1月からは仙台市内の被災小学校を毎年訪問し、子供たちとも触れ合い続けた。19年1月には訪問を予定した小学校で児童にインフルエンザが流行。急きょ訪問は中止となってしまったことがあった。

 交流イベントに備えて、準備されたグッズなどの前で「仕方ないけど、とても残念です」と肩を落とした田中。その翌年、同じ東宮城野小学校を訪問先に続けて選んだ。1年越しの対面がかない喜ぶ子供たちと笑顔で給食を平らげた。被災地の小学校を選ぶことには「震災があったということを風化させてはいけないと思うし、後世に伝えていくことも大事」という思いもある。

 今年は11年の東日本大震災から10年という節目の年にあたる。13年には24勝0敗という空前絶後の成績で球団初の日本一へ導き、最高の置き土産を残してニューヨークへ渡った。オフに仙台に足を運ぶたびに「いい報告ができるように頑張りたいと思う」と気持ちを新たにしていた。メジャー通算78勝という看板を背負い、凱旋復帰。柱として導く8年ぶり2度目の日本一以上に、仙台のファンが喜ぶ報告は他にない。

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