巨人 沖縄救援でコロナ“完封”だ!那覇市内にPCR検査センター開設、現地医療や検査機関への負担軽減

[ 2021年1月28日 05:30 ]

沖縄に恩返し!巨人がキャンプ地となる那覇市にPCR検査センターを開設する
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 巨人は27日、春季キャンプ地となる沖縄県那覇市内に新型コロナウイルスのPCR検査センターを29日から4月30日まで開設すると発表した。現地医療、検査機関への負担軽減が目的で、沖縄県内でキャンプを行う各球団やJリーグ各クラブをはじめ、関連産業団体などが対象となる。2月1日のプロ野球キャンプイン直前に打ち出した、大規模な新型コロナ対応策。無観客キャンプとなるキャンプ地の「スポーツの春」を先導する。

 掲げたスローガンは「コロナ禍でのキャンプに感謝!ありがとう沖縄」。キャンプインを控え、競技の垣根、さらにはプロとアマの垣根を越えた大規模プロジェクトを打ち出した。

 沖縄県庁で記者会見した巨人・星春海総務本部長は「選手やスタッフに陽性者が交じっていないかスクリーニングし、キャンプを安全に遂行する」と説明。対象は自軍だけではない。沖縄で球春を迎える各球団をはじめ、キャンプを実施するJリーグ各クラブ、ホテル、交通機関などの関連産業、報道陣も対象とする。また、沖縄では2月以降、大学、社会人野球、さらに他競技の合宿、練習が各地で予定される。アマチュアスポーツ関係者にも利用してもらうため、検査センターはプロ野球キャンプ終了後も約2カ月間、稼働する。

 巨人はこれまでNPB、那覇市と感染対策を検討。キャンプ中にクラスターが発生した場合、県内の医療体制をひっ迫させかねない。検査態勢に負担をかけることなく安全にキャンプを開催するための、新たなPCR検査センターの開設となった。公表されなかったが、巨額の費用が投じられる。これも、スポーツツーリズムで観光振興を掲げる沖縄への恩返し。沖縄の観光関連産業に携わる人の検査料は税別2500円と格安の設定とした。検査センターは1日当たり500件の検査を目標にする。

 巨人の沖縄キャンプは11年目で、開幕への体づくりを進める上で温暖な気候は何にも代えがたい。球団は「沖縄県に恩返しができれば幸い」と謝意を示した。併せて、コロナ下で経済的影響を受けている県内の家庭、子供に対し200万円を寄付することも発表。消失した首里城再建の支援も続ける。

 個人としても原監督、坂本勇、菅野らが全国の医療従事者への募金を全選手に呼びかけ、一部が沖縄県の医療従事者に寄付される。指揮官は同地で10年以上も野球教室を開催。「那覇の子供たちとは接する機会が多い。非常にレベルが高い」と個人的なつながりも深い。

 昨年の歓迎式で原監督は「日本一に向け、ウチナー魂を持って帰りたい」とあいさつした。沖縄と手を取り、キャンプ地のスポーツ全体をサポートする。(神田 佑)

 ▽巨人と沖縄 巨人は沖縄県那覇市での春季2次キャンプを11年に開始し、今季が11年目。初年度だった11年の那覇キャンプ初日に行われた楽天とのオープン戦では、沖縄セルラーに1万6567人の観衆が集まった。14年7月9日にはビジターながら球団史上初の沖縄での公式戦となるDeNA戦が実現した。昨年は、火災に遭った首里城再建のための支援金を那覇市に贈呈。原監督が地元出身の大城、与那原とともに同市役所を訪問し、ファンによる募金と監督、コーチ、巨人選手会の寄付を合わせた300万円を贈った。

 ≪木下グループ全面支援≫検査センターの開設と運営は木下グループが全面支援する。住宅メーカーの木下工務店や、医療法人社団和光会などを傘下に持つ同グループは、昨年12月に新橋と新宿に「新型コロナPCR検査センター」を開設。検査料は2900円(税別)。都内では渋谷、池袋、秋葉原にも検査センターを準備しており、店舗型と企業団体向けの集配式検査も合わせ、1日あたり約1万3000件強のPCR検査を行っている。

 ≪県内で感染拡大中≫沖縄県では27日、131人の新型コロナウイルス感染が確認された。20日に県独自の緊急事態宣言を出して以降、最多となり県内の累計感染者数は7270人に達した。26日に県全体(84人)の約4割にあたる34人の感染が確認された宮古島市では、この日の陽性者数も33人に上り、感染が急速に拡大している。

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