オリックス ドラ6阿部 球団史上最年長ルーキー「困った時にいる、というピッチャーに」

[ 2020年12月20日 05:30 ]

マフラータオルを手に、ポーズを取るオリックスの新入団選手(撮影・井垣 忠夫)
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 オリックスの新人選手入団発表記者会見が19日、大阪市内のホテルで行われた。1位指名の山下舜平大投手(18)はじめ育成指名6選手を含む12選手が真新しいユニホームに身を包み、希望に満ちたプロの第一歩を踏み出した。“アラサールーキー”こと6位の阿部翔太投手(28)は初年度からの活躍を誓った。

 ルーキーだからといって遠慮していられない。今秋ドラフト指名で最年長の6位・阿部は、置かれた立場を十分に理解していた。

 「球団目線では(指名は)リスクかもしれませんが、僕はそう思ってない。社会人6年間で成長してきたことを強みにしていきたい。チームの勝利につながるワンピースになれるように」

 01年に当時27歳だった牧田勝吾(現編成副部長)を上回る球団史上最年長ルーキー。会見では「おっさんになってやっと大正に帰れた」と、京セラドームからほど近い大阪市大正区出身ならではの喜びを口にした。実家はドームから徒歩10分ほど。小学生の頃、よく観戦に訪れた球場が本拠地となる、まさに京セラの申し子だ。

 背負っているものは他にもある。「社会人野球も盛り上げたい」。日本生命に在籍中、(高卒3年、大卒2年の)ドラフト解禁の年に伸び悩むプロ志望選手を多数見てきた。「まだいけるんだというところを見せたい。自分にもプレッシャーをかけてやっていく」。自身が活躍すれば、プロ入りを一度諦めた後輩にとって、希望の光となるはずだ。

 プロの舞台での“標的”として同じ日本生命出身の先輩にあたるロッテ・井上の名前を挙げた。「まだ(プロ入りの)報告はしてませんが、真っ向勝負でいきたい」。最速151キロ右腕は、堂々と宣言した。

 さらに「困った時に阿部がいる、というピッチャーになりたい」。これをビッグマウスと言うなかれ。来年11月に29歳を迎える遅れてきたルーキーの心構えとしては、これくらいがふさわしい。(田中 貴久)

 ◆阿部 翔太(あべ・しょうた)1992年(平4)11月3日、大阪市出身の28歳。中泉尾小で軟式野球を始め、大正東中で所属した大正シニアでは捕手。酒田南2年夏の甲子園は捕手で出場し、その後、投手転向。成美大を経て、日本生命2年目に日本選手権デビュー。1メートル78、78キロ。右投げ左打ち。

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