【東京六大学ドラ1腕カルテット座談会1】欲しいボールは?明大・入江「木沢のカット」

[ 2020年12月20日 09:00 ]

ボールを手にポーズを決める明大・入江(左)、慶大・木沢(中央上)、早大・早川(中央下)、法大・鈴木(右)(撮影・吉田 剛)
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 今秋ドラフトで東京六大学野球から1位指名された4投手の座談会が実現した。楽天1位の早大・早川隆久(22)、DeNA1位の明大・入江大生(22)、ロッテ1位の法大・鈴木昭汰(22)、ヤクルト1位の慶大・木沢尚文(22)。しのぎを削った4人だからこそ話すことができる、エピソードを披露。笑いが絶えない座談会となった。(聞き手・松井 いつき)

 ――それぞれの印象は?

 入江 木沢は第一印象で本当に球が速い。春からとんとん拍子に150キロを出して、155キロまで伸びて、剛腕って感じ。早川も球が速いし、変化球の精度もいい。昭汰はコンビネーションが良くて厄介でした。

 木沢 入江は試合をつくるのがうまい。ストライクを取れる球が多いし、真っすぐも力がある。連打で得点できる投手じゃなかったので、投げ合いがきつかった。早川はこれだけ注目されて1年間、結果を出し続けたことに尽きる。昭汰は器用。気持ちの面でタフだなと。

 早川 入江は真っすぐが気持ち悪いくらい手元で伸びてくる。スライダーは自分も一度三振したけど、膝元から切れるし、キャッチャーも大変だなと。木沢は早慶戦で投げ合ったけど、真っすぐの強さと同じ軌道でフォークを投げられたら、“そりゃ打てんわ”という打者心理も感じた。昭汰はインコースのツーシームが凄い。気持ちも強いし、ピンチでもゼロで抑える。

 鈴木 入江はどのボールも凄いけど、気迫が凄いし、ピンチでのギアチェンジがうまかった。木沢は秋のリーグ戦で打席に入ったけど、僕が見た中では一番真っすぐが速かった。躍動感があるので怖い。早川は全てが一級品。野手が三振するのも分かるし、2、3回投げてもう引き分けじゃないと無理だと思ったくらい。

 ――この人のこのボールが欲しい!

 入江 木沢のカットボール!

 木沢 大したボールじゃないよ(笑い)。

 入江 真っすぐの軌道から落ちてくる。球速も140キロちょっと出るし。あのくらいのスピードで落とせたら楽に投げられる。

 木沢 カットに頼っているのも、もっと真っすぐで押せればいいというのもあって。早川の真っすぐは欲しい。打席に立っても、当たったと思ったらバットの横を通過していく感じ。分かっていても空振り取れる真っすぐが欲しい。

 早川 真っすぐがあるから変化が生きてくる。そういう意味で左のインコースに投げられる昭汰のツーシームが欲しい。あれがあれば幅が広がる。

 鈴木 ありがとうございます(笑い)。僕は逃げる球で小さい変化球は持ってない。早川のカットボールはバッターが苦戦していたので、あれがあったらもっと自分も幅が広がってスライダーももっと生きてくる。(2に続く)

 ▽東京六大学からドラフト最上位での複数プロ入り 02年に法大・土居(横浜)、法大・後藤(西武)、早大・和田(ダイエー)、慶大・長田(西武)がいずれも自由獲得枠でプロ入り。今ドラフトはその02年以来18年ぶりの「4人同時最上位指名」となった。02年以降では3人同時1位指名が2度。14年の早大・有原(日本ハム)、早大・中村(ロッテ)、明大・山崎(オリックス)と10年の早大トリオの大石(西武)、斎藤(日本ハム)、福井(広島)がある。

 ※今回の取材は11月に新型コロナウイルス感染予防対策を十分に取った上で実施しました。

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