外国人選手には被打率・188、広島・森下の強さの秘密は対外国人選手にあり

[ 2020年12月18日 09:15 ]

プロ野球 「NPB AWARDS 2020」(NPBアワード)セ・リーグ最優秀新人賞を獲得し挨拶をする、広島・森下暢仁  (代表撮影)
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 セ・リーグの新人王は圧倒的な得票数で広島のルーキー森下暢仁(23)が獲得した。表彰式では「支えてもらったスタッフに感謝したい」と謙虚な男らしく周囲のサポートにお礼の言葉を述べた。

 1年目に規定投球回に達し10勝3敗、防御率1・91は文句なしの成績だった。なぜ森下は好成績を残せたかを数字で見てみると、外国人選手を抑えたことが大きな要因の一つとして浮かび上がってくる。

 今年は交流戦がなく対戦した外国人野手は5球団12人。DeNAのオースティンには8打数4安打、1本塁打と苦手にした選手もいるが同じ球団のソトには13の1、阪神のサンズは10の0、ボーアは8の1などほぼ完ぺきに抑えている。主力を封じた阪神、ヤクルトには3勝0敗、中日2勝0敗と負けなしの成績。12人のトータルも88打数16安打の被打率・188。全体の被打率が・231だから外国人選手をよく抑えたのがわかる。

 長打力があり、常に本塁打を警戒しながらの投球。ここで森下は「外国人選手と対戦するときは、真っすぐとカットボールを投げ間違わないことを特に気をつけました」と話す。両コーナーに投げ分けファウルでカウントを稼ぎ追い込んだあとはボール球となるカットボール、チェンジアップ、カーブで振らせるパターン。外国人選手の72の凡打中、三振は28個と大きな割合を占めるのは外国人対策の表れだ。

 大学2年から大学日本代表に3年連続で選ばれ、多くの国際試合で外国人と対戦してきた経験値も大きい。昨年の日米大学野球では高低差と緩急で三振の山を築き見事MVPに輝いた。

 来季に向けては新球を覚える予定はないという。「今の持ち球で来年も行きます。もっと精度を上げていくつもり。それでダメなら(新球種を)考えますけど」と来季はさらにバージョンアップした投球を目指している。

 今週はNPBの表彰式に備え週初めに上京。1年ぶりに母校・明大グラウンドで汗を流した。来季の明大投手陣を支える竹田(3年=履正社)や磯村(同=中京大中京)ら後輩たちと笑顔で再会。同グラウンドで自主トレを行う中日・阿部寿樹や楽天・渡辺佳明の先輩たちの姿にも刺激をもらった。今オフは1年間の疲れを取りながらも練習は続けていく予定。すでにイケメン右腕は来季を見据え準備に入っている。

 <森下データ>今季の森下はトータル102安打を許したが被打率は・231。被本塁打も6本しか許していない。本塁打上位3人の(1)岡本(巨人=31本)には3の0(2)村上(ヤクルト=28本)には9の0、4三振と完ぺきに抑えた。ただ同じく28本塁打の大山(阪神)には12の4、2本塁打と痛打を浴びた。

 またイニング別で見ると1~5回の前半は88イニング投げて自責点21の防御率2・14、6~9回の後半は34回2/3で自責点は5の1・30と後半に強い。特に6、7回は自責点1ずつと勝負イニングに力を発揮。後半にも150キロ台をマークするスタミナも持ち合わせている。

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