広島ドラ4・小林樹斗 イチロー氏の“金言”胸にプロ入り「今後に生きてくると思う」

[ 2020年12月15日 05:30 ]

入団発表を控え、広島入りした小林(撮影・河合 洋介)
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 広島ドラフト4位・小林樹斗投手(17=智弁和歌山)は14日、きょう15日の新入団選手発表記者会見に備えて広島入りし、イチロー氏(47=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)との“対決”を振り返った。同氏は今月2日からの3日間、智弁和歌山の野球部員を指導。打席に立ってもらった緊張のブルペン投球では直球、変化球ともに太鼓判を押された。時間の許す限り質問をぶつけ、プロ野球選手としての心構えやエールも送られた。

 特別な時間は、何一つ逃さずに思い出すことができる。高校球児を初指導するため、イチロー氏が智弁和歌山を訪れた初日のことだった。

 練習に参加していた小林がブルペン投球に向かうと、イチロー氏が左打席に立った。「今までの試合にないぐらいに緊張しました」。毎球のようにバットを立てるおなじみのルーティンを繰り返していた。スイングはせずとも本気で投球と向き合う姿に、遠慮なく内角にも投げ込んだ。「直球を両サイドに投げ込めているから、中々打ちづらい。あとツーシーム、カットボールは使えるね」。約50球を投げ終えてかけられた言葉である。

 その場で約15分間、質問をぶつけた。「打者にとってどういう球が嫌ですか?」「どこか僕に欠点になりそうな部分はありますか?」。すると、「左肩の開きが早いとどうしても球が見やすくなる」と助言された。

 「本当に偉大な方でオーラがすごくて…。たくさんのことを達成した素晴らしい選手の前で投げさせてもらい、いろいろと教えていただいた。本当にあの3日間は自分のプラスになるし、今後に生きてくると思います」

 最速152キロの直球に多彩な変化球も操る世代屈指の右腕。イチロー氏は、小林が広島に入団することも知っていたという。「“プロに入ると今まで楽しかった野球に責任が生じてくる。中々楽しめない部分が出てくると思うけど頑張れ”と言っていただいた。うれしかったです」。重い金言を胸に刻んで、同氏と同じ高卒ドラフト4位でプロの世界に飛び込む。

 「とにかく1年目から1試合でも多く1軍のマウンドに立って、勝ちに貢献できればと思っています」

 イチロー氏からは、「常にチェックしているよ」と伝えられている。1年目から活躍を届ける覚悟だ。

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2020年12月15日のニュース