2年目は「発」の年に…ロッテ・佐々木朗 来季新たな出「発」、実力「発」揮、1軍先「発」誓う!

[ 2020年12月15日 05:30 ]

現状維持で契約更改し、来年の目標を「発」と記した佐々木朗
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 ロッテの佐々木朗希投手(19)が14日、ZOZOマリンで契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸1600万円でサインした。最速163キロを誇るドラフト1位右腕は右肘の張りで実戦登板なく1年目を終えたが、体力強化に専念できたことを前向きに捉え、漢字では成長の「成」と表現。来年を「新たな出発」という意味で「発」と記し、充電したパワーを一気に発揮することを誓った。

 報道陣の取材に直接応じるのはフリー打撃に登板した3月27日以来262日ぶり。5月末のシート打撃登板で160キロを記録するなど、ポテンシャルの一端を見せてきたが、実戦登板なく、今季を終えた。現状維持の1600万円で契約更改交渉を終えた佐々木朗は、ここまでの経緯について自らの言葉で語った。

 「(試合に投げなかったのは)体調的に不良だったのとフォームとか細かいところを見つめ直し、自分のものにしてからと思った」

 シート打撃後、右肘付近に張りが出た。軽症も予定していた実戦デビューを白紙とし体力強化に専念した。順調にステップを踏み、10月下旬には再び実戦登板の具体的プランが浮上したが、またも右肘の違和感で見送った。

 悔しい――。久しぶりの取材対応でそんな感情を吐露するのかと思いきや、佐々木朗は「思い通りにならなかったけど思い通りになることの方が少ない。充実した一年を過ごせた。来年、再来年に生かせるようにしたい」と晴れやかな表情で言った。高校時代は体重80キロと細身だったが、地道なトレーニングを継続して現在は90キロ。「試合で投げたい気持ちはあったけど1年目なので。体が強くなって投げる出力が上がればいい」と来季を見据えて冷静に分析する。

 現在は故郷・岩手などで自主トレを行っている。「キャッチボールをメインでやっている。2月まで時間があるので、ゆっくり、じっくり、多く、感覚を研ぎ澄ませながら1時間30分ぐらい投げている」。今季試合に投げなかったことで、ファンの間では「故障説」もささやかれていたが、大きな問題はなく、距離も60メートルまで延びている。球団関係者も「ここまでは順調」と明かす。

 今季登板記録は「0」でも、多くの経験を積み、成長を実感できた。だから佐々木朗は漢字で「成」と表現した。「1軍登板&プロ初勝利」が目標となる来季については「発」と記し「また、新たな出発。1軍で先発で投げて、自分の実力を発揮して頑張ろうという意味もある」と力を込める。大きな体にため込んだパワーは、2021年に爆発させる。(横市 勇)

《佐々木朗の2020年》
 ▼1月10日 NPB新人選手研修会に出席。ヤクルト・奥川らと再会。
 ▼同11日 ZOZOマリンで新人合同自主トレがスタート。約70人の報道陣に囲まれ「疲れました」。
 ▼2月1日 石垣島での春季キャンプ初日。プロでの第一歩に「凄く充実感があった」。
 ▼同13日 初ブルペン。制限時間5分で、捕手を立たせて25球。
 ▼3月24日 フリー打撃に初登板。福田光ら打者2人に全て直球で25球。最速157キロで13球が150キロ超え。
 ▼同27日 2度目のフリー打撃登板。変化球を解禁してスライダー、フォークを投げる。
 ▼5月26日 初の実戦形式となるシート打撃に登板し、菅野、藤岡、福田光と対戦。11球を投げ、菅野に一発を浴びるも2三振を奪う。160キロを2度計測。
 ▼6月4日 井口監督が「急ぐ必要はない」と実戦デビューの先送りを明言。
 ▼10月13日 井口監督が「何とかいいところで放れれば」と今季中の1軍デビューの意向を示す。
 ▼同30日 井口監督が「まだ、試合に投げられるレベルまでこない」と話し、今季中のデビューを断念。フェニックス・リーグにも参加せず。

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