秋山 歴史的V打!108年ぶり7回制Wヘッダー“最終回”執念「何とかしたいと」

[ 2020年8月4日 02:30 ]

タイガースとのダブルヘッダー第1試合に勝ち、チームメートとタッチを交わすレッズ・秋山(4)
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 レッズ・秋山翔吾外野手(32)が2日(日本時間3日)、大リーグ史の1ページに名を刻んだ。1日の雨天中止で組まれたタイガースとのダブルヘッダー第1試合に出場し、決勝打を放った。新型コロナウイルスの影響で試合消化を早めるためにダブルヘッダーは8月から7イニング制となり、初めての実施だった。

 3点差を追い付かれた直後で、最終回となる7回。無死一、三塁で秋山が守護神ヒメネスの外角チェンジアップに必死に食らいついた。無得点に終われば、敵地でサヨナラ負けの危機だった。「いつもの負け方よりも重いなと。何とかしたいと思った」。執念で前進守備の一、二塁間を破り、勝ち越しの走者を迎え入れた。

 「当たりはともかく得点に絡めたことは良かった」。米記録会社エライアスによると9イニング未満でのダブルヘッダーは、1912年9月19日のレッドソックス―ナップス(現インディアンス)以来、108年ぶり。初回には1番打者として四球を選び、次打者の2ランによる先制へつなげた。「7イニングというのは、覚えていない。ダブルヘッダー自体も記憶にあまりない」と異例ずくめのシーズン。不思議な感覚も口にした。

 ただ、第2試合は相手先発が左腕ノリスのため、ベンチを温めた。第1試合の第3打席で左腕アレクサンダーの前に見逃し三振に倒れており、メジャーでは対左腕は3打数無安打2三振。日本では対右腕の通算打率・308に対し、左腕は同・281と大きく劣ったわけではないが、まだ新天地での信頼は盤石ではない。「左投手の時など、展開で使われ方が固定されていない。ベンチワークとして使いにくいんだろうなと思う」と猛省した。

 開幕から10日が経過し「自分が結果を出して使ってもらえるように、という気持ちは10日たっても変わらない」と前を向く。3日(日本時間4日)からのインディアンス4連戦は右投手4人が先発予定で「1本のヒットを打つ大変さを改めて感じている。必死にやり、結果を出したい」と定位置確保へ決意を新たにした。(笹田幸嗣通信員)

 ▽1912年9月19日のレッドソックス―ナップス戦ダブルヘッダー ナップスの本拠、クリーブランドのリーグ・パークで実施。第1試合は5回終了後に雨天中断され、約30分後にコールドゲームとなりナ軍が勝利。ナイター設備がなく、第2試合は6回終了後、日没コールドでナ軍が連勝した。同年のレ軍は105勝を挙げ、ワールドシリーズを制覇。日本は明治45年で、7月30日から大正元年。

 《“左投手苦手”徐々に克服》○…秋山は西武時代、4年目の14年までは対左腕の打率が対右腕を常に下回った。シーズン最多記録となる216安打を放った5年目の15年には左腕から50安打し、打率.379と対右腕の.353を逆転。以降は左右の差を感じさせず、最終的に対右腕に打率.308、対左腕に.281だった。

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