夏の甲子園中止に明徳義塾・馬淵監督「苦しい時ほど人間は試される。何も終着駅じゃない。こっから出発点」

[ 2020年5月20日 20:47 ]

明徳義塾高の馬淵史郎監督(左端)から夏の甲子園大会の中止の知らせを聞く野球部員=20日、高知県須崎市(代表撮影)
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 日本高野連と朝日新聞社は20日、「第102回全国高等学校野球選手権大会」(8月10日から16日間、甲子園)の運営委員会(web会議)を開き、同大会と出場49代表を決める地方大会の中止を発表した。新型コロナウイルス感染拡大から、選手、関係者、観客などの安全と健康を守るための決定。理事会で中止決定を承認した。

 ▼明徳義塾・馬淵史郎監督 (20日、ミーティングで選手たちに語りかける)おまえらが目標にしとった大会がないので非常に残念でたまらん、俺も。最後の夏の自分の力を発揮できる大会がなくなったというのは本当につらい。ただ、高校野球の目的は人間づくりやから。目的は将来につながるための高校野球やから。それだけは忘れんなよ。勝った負けた、甲子園に出場できるできない、レギュラーになったなれないといろんなことがあるけど、要は世の中に出て通用するようなことをグラウンドで学ぶのが高校野球なんや。親元を離れて寮生活をして打ち込んだものが絶対どこかで生きてくるんやから。ええか、これでOB気分になって終わった終わったじゃないんだぞ。世の中に出ていろんな苦しいことがあった時に、耐えていける精神力をつけるというのが高校野球なんや。こういう苦しい時ほど人間は試される。甲子園だけがすべてじゃないんやから、人生。最後まで同じ仲間とグラウンドでやれたというのが財産やから。10年、20年たって、あの時自分らの代は予選がなかった、試す場所がなかったということがきっと役に立つ時があるから。こっからだぞ。こっからが出発点だ。何も終着駅じゃないよ。こっから出発点だ。気持ち切り替えてやっていけよ、ええか。

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