阪神・藤浪 55日ぶりに甲子園練習 ブルペンで65球「野球できてうれしい」

[ 2020年5月20日 05:30 ]

甲子園での練習に合流した藤浪(阪神タイガース提供)
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 阪神の藤浪晋太郎投手(26)が19日、甲子園球場での練習に合流し、球団を通して取材に答えた。ブルペン入りするなど再出発へ向けて慣れ親しんだ聖地で力をもらった。また、この日からチームはユニホームを着用して午前の投手、午後の野手と分離練習を開始。首脳陣の視察も解禁されたことで矢野燿大監督(51)も選手たちの動きを見守った。

 混じりっ気なしの言葉で聖地での“躍動”を振り返った。新型コロナウイルスに感染する前の3月25日以来55日ぶりの甲子園で汗を流した藤浪からあふれたたのは喜び、うれしさ。帰ってくるべき場所で純粋に野球を“感じた”。

 「甲子園の練習に合流させてもらって、久しぶりにユニホームを着て練習できたので、野球をしてるなというか、野球ができてうれしいというか、そういう気持ちです」

 雨模様でグラウンドではなく室内練習場でのトレーニングも、タテジマの背番号19に袖を通し、甲子園から離れていた時間を少しづつ埋めていくようにアップ、キャッチボールの順に汗を流した。その後はブルペンにも足を運んで変化球を交えて65球。自宅ではネットスローなどで肩を休めることなく、4月24日から開始した鳴尾浜での自主練習でも投球練習は行ってきた。

 「鳴尾浜でも結構、ブルペンに入ってしっかり投げられていましたし、体の状態も万全なので、あとは技術的な部分をしっかり練習してやっていければ。もう少しああしたい、こうしたい部分はありましたけど、ボール自体は走っていたと思います」

 約2週間の入院や自宅待機期間のブランクを感じさせない“途中経過”に再出発への覚悟と決意をにじませた。視線の先にあるのは6月中を目指す開幕。チームが活動休止する3月下旬の時点では開幕ローテの5、6番手を争う立場だっただけに、再びサバイバルの号砲が鳴るその時に備えて、ギアを上げていく段階に入った。

 「最短で残り1カ月くらいになると思うので、もちろん状態を上げていくのも、技術的にレベルアップするのもそうですし、この1カ月できることを考えて、1日、1日、しっかり取り組んでいきたいと思います」

 先月23日の謝罪会見では「野球で取り返す」と誓い一歩前へ踏み出した右腕にとって、背中を押される聖地での1日だった。(遠藤 礼)

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2020年5月20日のニュース