矢野阪神が始動 対話重視でチーム状態把握「裏方さんしかわからないこともある」

[ 2018年10月24日 05:30 ]

多田打撃投手(右)と話す矢野新監督(撮影・大森 寛明)
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 初日から矢野カラーが全開だった。23日に秋季キャンプをスタートさせた阪神・矢野監督は現場での“初仕事”。正捕手として常勝チームを率いた現役当時と同じだった。重要視する対話を即座に実行。いち早くチーム全体を把握するために聞いてまわった。

 「裏方さんしか、わからないこともあると思うのよ。選手のためになるんやったら教えてほしいと思う部分もあるし。試合でいえば、ピッチャーのことがわからないのにリードってしにくいのよ」

 選手の動きに熱視線を送る一方でチーム関係者と会話する光景も目立った。相手はコーチ、打撃投手、ブルペン捕手、トレーナーまでに及んだ。集まった野手にアドバイスを送ってから打撃練習もスタート。技術論ではなく、練習の意図を含めた考え方を説明した。積極的にコミュニケーションを図ることを最優先するためグラウンドを動き回った。

 「例えば、一人の選手を良くしようと(みんなで)考えた方がアイデアとかもいっぱい出ると思う。俺が言うことが全部正解じゃないから」

 現役当時も若手、中堅、ベテランと分け隔てなく会話していた。特に投手とは文字通りのバッテリーとして対話の中から最善策を生みだしてきた。体に染みついた捕手としての姿勢を指揮官としても発揮。今後は若手からの直接訪問も「全然、超ウエルカム」と歓迎。また、当初は午前10時30分から予定されていた練習は約20分遅れでスタート。その理由も選手らと面談していたからだった。

 「今年、このような成績になったのは、自分たちも受け止めないとダメ。でも、出た数字というのは変えられない。これから変えられるのは先のこと」

 練習前には全体ミーティングを開いた。福留らベテラン陣を含む全選手の前で「前を向く」ことの重要性を説いた。前向きな姿勢こそが矢野野球の根幹だ。最下位からの逆襲に挑む猛虎の新たな秋が始まった。

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2018年10月24日のニュース