東北福祉大 14年ぶりV 大塚監督 元プロ監督として初の栄冠

[ 2018年6月18日 05:30 ]

第67回全日本大学野球選手権最終日   東北福祉大6―2国際武道大 ( 2018年6月17日    神宮 )

優勝を決めナインから胴上げされる東北福祉大・大塚光二監督(撮影・西川祐介)
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 決勝が行われ、東北福祉大が国際武道大を6―2で下し04年以来14年ぶり3度目の優勝を果たした。15年7月に就任した元西武の同校OB大塚光二監督(50)が、元プロ監督として初の栄冠。2回に決勝打を放った吉田隼外野手(4年)は最高殊勲選手賞に輝いた。

9回2死。飛球が上がった瞬間に東北福祉大ナインはベンチを飛び出した。二塁・中野が捕球し全員がマウンドに駆け寄る。大塚監督はベンチで目を潤ませ、胴上げで3度舞った。

 「プロは負けが許されるけど大学は負けが許されない。1勝、1敗の重さを感じる。(選手時代の優勝より)1000倍くらいうれしい」

 西武の黄金時代に日本一を3度経験し、元プロ監督として初優勝。大学時代は87、88年と準優勝止まりで「ついに俺らを超えたな」としみじみ語った。

 2―2の2回に4連打を含む5安打3得点で勝ち越した。2死一、二塁で決勝打となる左前適時打を放ち応援席の大歓声を浴びた吉田は「つないでくれた。全員で戦っているのを再認識した」と話す。

 大塚流コミュニケーションが一体感を生んだ。控え選手が腐らないように積極的に声をかけ、焼き肉にも連れて行く。部員133人全員に気を配るのは、西武時代の須藤豊ヘッドコーチの影響だ。「日の目を見ない選手への気配りは凄かった。1・5軍の僕が代打の準備して使われなかったとき“おまえのスイングがあったから周りに危機感が走って勝てた”と言ってくれて、めちゃくちゃうれしかった」という。

 会見の席。3月に折りたたみ式の椅子に右手中指を挟んで剥離骨折した津森が座ろうとすると、すかさず「椅子に気をつけろよ」と突っ込み、爆笑を誘った。リーグ戦3位に終わった昨秋に大塚監督が頭を丸めたら、選手も丸刈りにしたほどの深い絆。指揮官は「勝つために一つになったチームが一番強いと分かった」と話した。 (渡辺 剛太)

 <国際武道大>2年連続準優勝に終わった。プロ注目の青野が先発で2回途中5失点KO。継投で打線の援護を待ったが及ばなかった。立大に屈した昨年決勝も初回の大量失点が響いただけに、岩井美樹監督は「昨年と同じになっちゃった」。今大会2完投した平川ら実力のある4年生投手カルテットを擁しても、届かなかったあと一歩。「まだまだ修業しろということ。10安打で2点では監督が悪い。選手はよくやってくれた」と話した。

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